映画鑑賞文:ゴーストバスターズ アフターライフ(ネタバレ注意)
子供の頃、グレムリンと並んで何故か家にVHSが買ってあった映画、1984年版のゴーストバスターズ。自分の中でも思い出深い映画の一つ。その最新作なんでチェックせざるを得ない。
物語のあらすじ
主人公は12歳の科学好き少女フィービーと兄、パパが家賃滞納で家を追い出され、最近亡くなった祖父の遺産である古い家に越してくるところから始まる。田舎町の広大な畑を備える一軒家の地下には見たこともない機材が隠されていた。機材を見つけたフィービーは友人や学校の先生らとそれらの謎を探っていく。フィービーたちは家で見つけた装置(ゴーストトラップ)を開き、中に封印されていたゴーストを解き放ってしまう。逃げ出したゴーストは1984年にニューヨークを襲った破壊神ゴーザ復活の鍵を握っていた。このゴーストを封印したフィービーの祖父イゴン・スペンクラーはゴーストバスターズのメンバーだった。
寸評
結論から言うと少し残念な出来だった。面白かったかと言うと微妙。どちらかというとつまんない寄り。
何故つまらなかったかを述べていくのと同時に、もちろん面白かった点もあるのでそこを書いていく。
1984年版の要素をなぞり過ぎ
この映画の見どころは?と聞かれた時に思いつくのは、新キャラクターのフィービーとオリジナルのゴーストバスターズメンバーと敵役のゴーザの復活くらいかな。
オリジナルメンバーやゴーザ、マシュマロマンも出てくるが、それらは旧作のファンたる自分もうれしい要素だけれども、この映画そのものの面白さって何?って言われるとうーんと悩んでしまう。
敵役のゴーザ復活までのプロセスは旧作と同じで鍵の神:ビンツと門の神:ズールが人間に憑依して合体すること。旧作を見た人はこれを知っているので、その先の展開がおおよそ見えてしまう。
旧作ではこのズールとビンツに狙われ、不可思議な現象に襲われたデイナ(シガニー・ウィーバー)がゴーストバスターズに相談することで話が展開していく。観客側も何が起きようとしているかわからないので、その謎にゴーストバスターズたちと共に迫っていく面白さがあった。
旧作を知っていると、今作ではこの謎に迫る面白さは先にわかってしまってる上に、この復活のプロセスをそのままなぞる展開になっているので、今ひとつ面白みにかける。
ゴーストものとしての雰囲気の弱さ
ゴーストバスターズはホラーというよりはコメディに分類されると思う。旧作はゴーストという本来はホラーにあたる要素と、それを退治するゴーストバスターズ側をコミカルに描くことでのギャップで面白さを作り上げている。
ゴーストバスターズのメンバーは害虫駆除の作業員的に描くことで、オカルト的な牧師や霊媒師ではなく僕らにも身近な一般人としてのキャラクターに位置付けられている。加えて、イーゴンとレイは頭でっかちな科学者、ピーターは女たらしといった一般的からワンランク落として頼りない変人たちと設定していたのが相対するゴーストとのギャップを大きくして、コメディ色が際立つ形になっていた。
その意味ではフィービーや兄のトレバー、友人のポッドキャストなどは旧作のゴーストバスターズ同様、頼りないながらも個性あるメンバーというキャラ特性は備わっている。
しかし、今作はゴーストのゴーストらしさがあまり演出されなかった。旧作だと、図書館のゴーストやホテルに現れる大食いゴーストなど「ちょっと怖い」面もきちんと演出されていた。
ゴーザやビンツ、ズールはゴーストというよりは邪神やモンスターといった要素が強い。モンスター的な形で描くと、ハリーポッターやロード・オブザ・リング的なファンタジーの敵役に近い印象になってしまっている気がする。加えて、本作のゴーストの登場シーンは昼間が多いので、ゴーストの「ちょっと怖い」面があまり演出されていない。
このゴーストの「ちょっと怖い」面がしっかり描けていないと、ゴーストバスターズのキャラクターとのギャップによる面白さが生まれない。ここがちょっと残念なところ。
エクトワンの銃座はカッコイイ
と、難癖つけたきたが、この映画のいいところは中盤でゴーストを追跡してのチェイスシーン。ゴーストバスターズの専用車:エクトワンで街中を飛び回って逃げるゴーストを追跡中に、フィービーが座る車の座席が外側に飛び出して銃座になり、プロトンパックのビームを放つ。
スピード感もあるし、ビームも映えるカッコイイシーンになっていて、ここは楽しめた。やっぱり、ゴーストバスターズの1番クールな部分はこのプロトンパックのビームでのアクションだよね。ここを過去作よりも躍動感溢れる形で表現してくれたのが本作最大のグッドシーン。
シリーズは続くのか?
映画のエンドロールの最後に、旧作のゴーストバスターズの事業所跡地(?)をウィンストンが訪れるシーンで終わる。
埃だらけで、全く使われてない事業所をウィンストンが修繕して、またゴーストバスターズの活動を再開させる?みたいな雰囲気で終わった。
今作、全体的には物足りない出来だったが、フィービーというキャラクターは魅力あるので、できればもっと活躍を見たいとこ。
でもフィービー以外のメンバーって誰が?何人か大人も必要だろうがオリジナルメンバーはお歳が。。。
2016年版のメンバーを引っ張ってくるのか、はたまた新キャラが入ってくるのか。続編が実現したら、その辺楽しみですね。