勇者ココ

我が家のたのもしき長男ココ9歳。

いつもお手伝いもして、えらいね。がんばってるねってんで、

サンタさんへリクエストしたプレステ4のコントローラ以外に、

おまけで、ゲームのソフトをくれたよ。

「ドラゴンクエスト 破壊神シドーとからっぽの島2」

サンタすごいね、ココのことちゃんとみてたんだね。

ココも嬉しそうにして、サンタさんからもらったという手前、

堂々とゲームをやりだす小学三年生。かわいいのう。

はじめてのRPGにはまっていく、ココ。

コタツに入りながら、歓喜の声をあげたり、主人公に感情移入しながら

毎日ドラクエを繰り返す。

朝起きたら、こたつでドラクエ。

寒い冬の朝を動きたくない、冬休み。

わかる、わかる。母ちゃんも、あったそんなこと。

若かりし頃、デニーズのバイト先のみんなで、

プレステのFF7(ファイナルファンタジー7)にはまったときのこと。

朝七時に、セブンイレブン前に集合し、買った後、

夜通しがんばり、午後入りのシフトの時間までどっぷり浸る日々。

「今、レベル何?」

先輩に聞かれて答えると、「俺は○○だよ」

「え~!何で、そんなに進んでいるんですか!?しかも、○○も仲間になってるし!」

先輩は、誇らしげに、数日間寝ていないと言った。

あ~夜、やっぱり寝落ちしちゃう、お子ちゃまな自分が恨めしい!!

と悔しくて、バイト先のみんなと競ったあの日々。

目の前で、こたつに入りながら、ドラクエの世界観をどっぷり味わい、

宿題しないとやらせない!との公言に従い、冬休みの友を3日で終わらせた根性と怠惰な姿が、

いつしかの自分にかぶる。

もう、冬休み終わっちゃうね。

結局、休みの間中、ニートか、はたまた駄目人間かのように、

こたつを背負うことをぬけられずに、

勇者に育っていくたくましいココの後姿を

ため息交じりで、眺めることになる母(サンタ)だった。




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