絵本と食事 日記8
妊娠八ヶ月を過ぎたあたりから、暑かったりだるかったりして、ご飯を作るのが適当になっていった。
自分だけの食事なら、適当に済ます。
それも、ココとの食事も、なおざりになっていった。
作りたくないな~という気持ちが通じてか、
ココが、
「ナナ、ご飯は、作りたくなかったら、作らなくていいし、無理しなくていいんだよ」
と、とっても優しい言葉をかけてくれるようになった。
なんて、いい子に育ったんだろう、とわが子ながら、キュンとした。
ふりかけご飯に、果物とか、残り物で済ませたり、なんにもやりたくないときは、本当に何もやらないときもあった。
お腹すいたら、冷蔵庫にあるものを食べるだけ。
それでも、ココの優しい言葉かけに、感動して、甘えながら、あたしの身体の不調(という名の、ものぐさも有り)をふんだんに見せながら甘んじて生活していたのだが、
あるとき、ココが、
「ナナ、今日、保育所のちえみ先生にね」
とポツリ。
「ココのお母さんは、ご飯も作ってくんないよ、って話したよ」
と言ってきた。
青ざめてゆく、わたしの中の世間体ゾーン。
「え!!?
ココ、なんでいきなりそんなこと先生にいったの?先生はなんていってた?」
「なんで、お母さん作ってくれないの?って言ってた」
「それで、ココはなんて答えたの?」
「わかんない、って答えた」
ガーン!
そのとき、動体視力を測る装置ばりに、わたしの頭を何度もよぎっていったWORDが
ネグレクト、怠惰、育児放棄。
「ってかさ、ちえみ先生にいう前に、なんでナナに言わないの?ご飯ちゃんと作ってって」
「ん~、ごめんなさい」
まずい。なんか会話が、家庭に問題のある子みたいな感じじゃん。
っていうか、ちえみ先生には、友達の子供の誕生日にと、書いていた絵本を保育所にも置かせてもらおうと、絵本のサンプルを昨日渡したばかりだったのだ。(作家の仕事で、絵本の制作もしています)
「それ、いつ言ったの?」
「おととい」
ココが、お母さんご飯作ってくれないと話した、次の日に、ニッコニコ顔で、絵本を持っていったことになる。
ご飯は作らないのに、絵本は作っているのかよって、母として痛い感じじゃないか?これ。
それに、あたしには、作らなくていいよ~なんて、理解ある優しい言葉をかけていたのに、本当は作ってほしかったってことじゃんか。
最初から、そういえよ!
「ココ、作ってほしいならそういってくれればよかったのに。作んなくていいよ~っていうから、ナナも作らなかったりしたんだけど」
「ごめんなさい。」
なんか、この会話自体どうなんだ。あたしが、まるで育児放棄してるみたいじゃんか!
あたしに言わないで、周りに言った姑息さに、むかついて、意地になり、それ以来、産前産後もどんなことあっても、ちゃんと作ろうと思った。
ココ四歳児