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瀟洒な大人。 [ H ZETTRIO "Dancing in the mood"]
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この記事は音楽と言葉を結びつけようとするものです。
テーマとしている音楽をまだお聴きでなければ、下記リンクよりぜひお聴きになってみてください。そして本記事を読んでいただければ、嬉しいです。
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かっこいい大人、といえるような人に会うことは少ない。
毎日会社に行って、お金のために働いて、休日は休んで過ごす。
そういう生活を強いられている中、格好よく生きるというのはとても難しいことだ。
僕の中には、どうにも格好良い大人への憧れがある。
余裕があって、洒脱で、誰も追いつけない、そんな大人への憧れが。
実在の人物にこの理想をみたことはないけれども、不思議なことに、このイメージにぴったりくる音楽は知っている。
H ZETTRIO の Dancing in the mood .
悲しみの先の喜びは一入だし、努力して得た結果は素敵だ。
多くの物事は、表と裏とを、光と影とを備えることで、その魅力が相乗的に増していく。
けれどもこの曲は、対比される何者をも内に孕んでいない。
ただただ、徹頭徹尾、天上天下、格好良いのだ。
咲き乱れるような音の花、
失われない余裕、
挑発的なダ・カーポ。
踊らずにはいられないリズム、
止まることを許容しないテンポ、
冷める暇を与えないメロディ。
テクニカルに先行し、誰もが追いつけないほどの加速を見せるピアノ。
苦笑いをしながら、けれどもそれを完璧に支えるベース。
止めるどころかMoreMoreと、更に囃子立て速度を要求するドラム。
彼らが奏でる音楽の、悲しみも憂いも背負う気配の無いその背中は、どこの世界の人のそれよりも格好良い。
慎重に生きなさい、堅実に過ごしなさい、素晴らしい大人になりなさい。
世の中にはたくさんの金言があふれているけれども、彼らの前では鍍金も落ちる。
僕らが格好良くなるためにしなければいけないこと。
それはきっと、彼らのように瀟洒に生きることだろう。
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