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【獣に育てられたヒトの子は】
いいかい
これは実際にあった
オハナシさ
ある日
幼い小さな子どもが
ジャングルで
迷子になってね
大人たちが
必死になって探したが
とうとう
見つからずじまいだった
捜索隊は
やむなく
捜索を打ち切った
その子の両親は
泣く泣く諦めたのさ
おそらくその子は
獣に襲われて
死亡したのだろうと
思われた
やがて
数年の月日が
経過した
ある日のこと
ジャングルを
調査探検中の
探検隊員が
狼のグループの中に
ヒトらしき子どもが
いるのを発見した
隊員たちは
それを
ヒトの子どもだと
認識し救助する
ことにした
探検隊員たちは
まるで狼のように
暴れるその子どもを
なんとか捕獲して
母国へと連れ帰った
のさ
その後
その子どもは
人間の社会に
戻ったわけだが
わずか数年しか
生存することが
できなかったという
そう
その子はね
どういうわけか
人間の言葉を話さず
狼のような唸り声を
あげていたそうだ
食べ物の摂取方法から
歩行方法までもが
まるで狼のようであった
という
つまり ね
こう考えることも
できるよね
生物としてのヒトは
厳しい自然環境下の
ジャングルにおいて
狼の親によって
生存方法を学び
生物としての狼として
生き残った
とね
まことに
不思議なハナシだよね
だって
この逆はないんだよ
人間の親によって
人間らしく育てられた
チンパンジーが
人間のように育って
言葉を話し社会生活を
おくるようになった
なんてハナシは
ないよね
つまりさ
ヒトって
知能が高いからこそ
親や環境から学習し
生存方法を体得して
未熟な状態から
ヒトならヒト
狼なら狼へと
成長できる
ってこと
ねっ
わかるかい
そう
ヒトは ね
獣に育てられると
獣になる
っ
て
|
オ
・
ハ
・
ナ
・
シ
さ ♡
ところで
キミ
・
・
・
🐺
〜『小説・思念の門〜かくも多岐にわたるものなのか〜市川翔の見た世界(1)』より一部抜粋〜
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