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【新手のオレオレ詐欺か?〜ヒョーゴケンケイのモノですが〜】

ケイタイの
ベルが鳴った

表示を見ると
見覚えのない番号だ

知らない番号は
いつもなら無視する

しかし

ここのところ
家族の介護関係で
連絡先を頼まれる
ことがあるので

「はい、◯◯です」
とりあえず応答した

すると
「◯◯ ◯◯さんの
ケイタイですか」

と、相手は
テキパキとした
男性の声で
ご丁寧にも苗字と名前を
確認してきた

ちょっとばかり
警戒心が芽生えつつ
「はい、そうですが」
と返答した
---なにかのセールスか?---

「私は
ヒョーゴケンケイの
者ですが」

その声は
とても落ち着きのある
話し方で
まるでテレビドラマに
出てくる熟練刑事のよう
だった

声は続けた
「実は
ある事件のことで
あなたの名前が
あがったものですから」

「はぁ・・・?」
突然のことで
頭の中がボンヤリする
ヒョーゴケンケイ・・・?

続けて
その男の声は
「すぐに
身分証を持って
ヒョーゴケンケイまで
来ていただけないでしょうか」

少々、高圧的でもある口調で
畳みかけるように言う

「・・・」
いろいろ考えが巡るが
何も思い浮かばず
黙っていると

「ヒョーゴ県には
何か思いあたることは
ありませんか」
男の声は、
更に強く確認してきた

私の心の中は
--- そんなの
ぜんぜんないし
いきなり来いと
言われても・・・
でも、あれ?この男性
ヒョーゴケンケイの
ナニ課のナニガシとか
名乗ってないよね? ---
疑問が湧いていた

私は断固として
「いいえ」
と、低い声を放った
いや声が勝手に
断言していたのだ
何を聞かれても
「いいえ」だぞ、と

男の声は
「そうですか・・・」

ほんのしばらく
沈黙が続いたあと

電話は
不意に切れた

短い電話だった

結局
ニセモノだった
という
ことなのだろう

だが、その声は
まるで
ホンモノの刑事
であるかのような
迫力だった

もし仮に
私の家族や友人が
ヒョーゴ県の近隣に
いたとしたら
あわてふためいた
かもしれない

それにしても
釈然としない

いったい何を
要求するつもり
だったのだろうか

みなさんも

くれぐれも

気をつけて

ね ♡

〜これは実話である
2024/9/23  の昼間の出来事〜


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