かけたお皿の見え方(月×太陽)
私には、高校生の娘と小学生の息子がいる。
冷静沈着でじっと静かに大人しい印象を持たれがちな娘と
じっとしていられなくて、びゅんびゅん動き回りながらケタケタ大笑いしている息子。
私は二人を見ていていつも、月と太陽を想像する。
2人はもうすぐ進級し、高2と小3になる。
年の差8歳の姉弟で、私は彼らをよく「真逆姉弟」と紹介する。
どういったところが真逆かと言うと、
出したものはそこらへんに置きっぱなしの姉と
決められた場所に必ず戻す弟。
幼いころ、
好き嫌いが多くふりかけなしの白ご飯しか食べられなかった姉と
好き嫌いは少ないけれど、ふりかけなしでは白ご飯が食べられない弟。
小学校時代、
娘は給食を減らしてばかりだったから、給食費がもったいないと思っていたけれど、
今、その時姉が食べられなかった分、
弟が払った給食費以上に食べて帰ってくる。
きっと二人分を足せば、プラマイゼロになるだろう(笑)
欠けたお皿
なんてことのない 白いお皿
スーパーでパンを買った時についているシールを集めて交換したもので
義理母は、息子が結婚する時にお嫁さんに渡そうと、
押入れの奥の方にしまって何年も何年も置いておいたらしい……
高級感なんて全くない、薄っぺらいただの白いお皿
洗い物ラックの中で、強引に食器を取ろうとして、いつの間にか欠けてしまった。
この皿は4枚あって、我が家は4人家族。
いつかお気に入りのお皿が見つかったら処分したらよいかな?と思いながらも、何年も食器棚の一番取りやすい位置にいる。
ハズレと当たり
欠けているといっても、ほんの少し。
気をつけなければケガをする、なんていうほどのものでもないから、
このちょうど良い深さもあって、カレーやシチューの時には大活躍している。
ある日、娘がぽつり。
『このお皿、私ばっかり使っている気がして、お母さんに愛されていないのかと思った』
えっ!? こんなことで???
『お母さん、何も気にしてなかったわ。あんたばっかりこれ使ってた?
ごめん、ごめん(笑)』
また別の日には息子が
『これ、僕の? やった~、今日は当たりだ!』
えっ!? 何この違い???
『え? あんたは嫌じゃないの?』
『うん、だってこのお皿だけ欠けてるから、1/4の確率で当たりやん♪』
弾けんばかりの笑顔で嬉しそうに言う。
この日から、このお皿は息子用に使うことが多くなった。
『当たった♪』ってそれだけで気分良くなるなら、たやすいことだ。
毎回じゃ占いにならないから、適度に家族で回すけど。
月と太陽
食卓で、自分の前に置かれたお皿を見て、
『母に愛されていない』と感じた娘と『当たり!』と喜ぶ弟
なぜ同じお腹から出てきて、同じ母親に育てられているのに
こうも捉え方が違うのだろう。
どちらかが正しくて、どちらかが間違っているわけじゃないけれど、
きっと、『当たり!』と喜べる息子のほうが、幸せを見つけることが得意なんだろうな♪
娘はネガティブ思考で、息子はポジティブ思考。
娘は子供時代の私に似ていて、息子は大人になってからの私に似ている。
いつもは理屈っぽくて冷静沈着な娘だけど、
最近は、
太陽のように明るくまぶしい弟に照らされ、
自分で光を出せない月のような娘が、優しく温かく輝きを放つ瞬間がある。
月 × 太陽
ちょっと年齢は離れてしまったけれど、真逆な分、お互い補い合えることもある。
いつまでも、仲良し姉弟でいてください^^