見出し画像

発達障害児の中学受験体験記、通塾なしの娘の場合

我が家は娘、息子と2人の中学受験を経験しました。
現在娘は18歳、息子は16歳と大きくなりましたし、現状は発達障害の二次障害との闘いではありますが、それは一旦置いて、なぜ中学受験をしたのか、どのように合格までの道のりを来たのかについて書いていこうと思います。
我が家のほんの一例(二例)ではありますが、発達障害を持つお子様の中学受験を考えていらっしゃる方々に何かヒントになることがあれば幸いです。

2人の中学受験ですが、結果として同じ地元の公立中高一貫校で偏差値としてはネットで調べると63と書いてあるところに入りました。ほどほどの難関校にはなるのかな?
ただ我が家は母子家庭で経済的事情により、娘は通塾なし、外部模試、季節講習のみで後は家庭学習での受験、
息子は特待生になることができましたので、無料で大手中学受験塾に通い特待生の条件である超難関校受験までのいわゆる中受ガチ勢でした。

中学受験を考えたのは

まず我が家が子供たちに中学受験をさせようと思ったきっかけは、娘のADHDでした。彼女は知的能力は高く授業理解には問題はなくてもADHDの山頂のような人なので、服薬しても自分の興味のないことには取りかかれない、切り替えができない、頭の中も常に多動という状態でした。書字障害は持っていませんが、頭のスピードと手のスピードのズレが大き過ぎてよほどの集中力を使わない限り読める字が書けません。高校生になった今もそんな感じです。小学校は普通学級に入学したのですが連絡帳が読めない。書いた本人すら読めない。
宿題も取りかかれない、取り掛かっても進まない、内容として彼女には全く難しくない内容なのに何時間もかかってしまう。
当然授業中のノートも取れません。黒板を見ながら書く、書きながら授業を聞く、そういうマルチタスクができません。
何もせずただ授業を聞いている方がよほど理解出来るのです。

これ、地域の中学校に入っても内申点って全く取れないのでは?我が家は母子家庭ですので私立高校に行かせる余裕はありません。高校の修学支援を使っても私立では入学金やら研修やらでの出費が多すぎます。公立高校になんとか入って欲しい。
ならば中学受験で公立中高一貫校を目指せばとりあえず公立高校に入ることはできるのでは…。そんな経緯で小学校に入学早々に中学受験を考え始めました。

発達障害児と中学の内申点


中学校での内申点の付け方は都道府県によって大きく違うのですが、
概ね内容としては、学業成績、課題提出、授業態度の3つの観点からつけられることが多いようです。
都道府県によっては支援学級に在籍する限り内申点はつかないとされているところもあります。(大半の自治体の情緒支援学級は内申点はつきます)お住まいの地域の内申点の付け方については小学校のうちに調べておいた方が良いと思います。

この内申点、発達障害児が苦手とすることが山盛りで悩まれる方は非常に多くいらっしゃいます。
まず課題提出。ADHD傾向があるお子さんの場合、うちの娘と同じく取りかかれない間に合わない忘れるなどでなかなか提出できません。
授業態度にはノート提出なども含まれます。LDなどで書字に困難のあるお子さんにはとても難しいことです。本人は真面目に授業に取り組んでいるつもりでも、特性によってはそうは見えず先生に誤解されるケースもままあります。
支援学級に在籍しても情緒学級であれば普通学級と同じ内容の学習、同じテストを受けることになります。
学校によっては支援学級であれば課題の量を子供に合わせて調節し、その達成率で内申点としてくれるところもありますが、稀なケースのようです。
ギガスクールで1人1台のタブレットやパソコン端末が用意されるようになりましたが、未だ充分に活用されている様子も耳に入ってきません。
コツコツと取り組める特性を持つお子さん以外、発達障害児にとって内申点を取ることはとてもハードルが高い仕組みになっています。
もれなくうちの子供も娘だけでなく息子もノートが取れず、コツコツ課題ができるタイプではありませんでした。

娘の中学受験

ここから先は

2,679字

¥ 100

よろしければサポートをお願いいたします。いただいたサポートは我ら親子の明日の生活費や、子供たちの自立に向けて将来のために使わせていただきます。