PFASと学校給食
PFAS(有機フッ素化合物)って知ってますか?
フライパンの加工や、ハンバーガーの包み紙、消火剤などに広く使われているものです。
発がん性が指摘され、子どもの発育障害や、大人の甲状腺疾患などへの影響もあると言われています。
米軍基地や、航空自衛隊基地、化学工場、産廃処理場周辺など、日本各地で汚染が発見され、NHKも最近PFAS汚染全国マップを発表しました。
EUでは、「何もしないことによる社会的コストは、PFASの使用を禁止することによるコストを常に上回る。禁止を遅らせることは、健康や環境への影響からコスト負担を将来世代に転嫁することになる」と、予防原則で脱PFASへ動いているようです。
日本では、検査がほとんど進まず、汚染実態がよくわかっていません。
井戸水や下水汚泥肥料などから、汚染は広がり、日本の田んぼや畑、そして川や海にも汚染は広がっています。そして、そこでは農畜産物が作られ、水産物が獲られ、日本の食卓に上がっています。
子どもたちの給食に使われている食品は大丈夫なのでしょうか。
7月13日に、「PFASと学校給食」をテーマに勉強会が開催されました。(主催:オーガニック学校給食フォーラム実行委員会、NPO法人こどもと農がつながる給食だんだん)
講師は、元朝日新聞記者の諸永裕司さん。諸永さんは長年PFASを追って全国の現場を取材してこられた。汚染が放置されている日本の実情に警鐘を鳴らし続けています。
私は、東京都多摩地域に住んでいるのですが、実はNHKや東京新聞でPFASの問題が取り上げられていても、「水道水は大丈夫っぽいな、うん、まあ大丈夫か」くらいな感じでのほほんとしていました。
が、今年の4月に、市内の農家さんから、ご自身の農業用井戸水を検査したらPFASで汚染されていたことを聞いて、びっくり。その方は井戸水の使用をやめて水道水に切り替えたそうですが、水道代が上がって大変とのこと。でも、市内の農家はまだまだ普通に井戸水を使っている方も多くいます。
市内の野菜は大丈夫なんだろうか?
私は、市内産野菜をもっと学校給食に入れてほしい、地産地消を進めてほしい、と市に対してお願いしていたので、はたと立ち止まってしまいました。一度、きちんと勉強しなきゃと思い、この勉強会を企画しました。
白なんだか黒なんだか、検査がされていないので、よくわからないのが実情。市の教育委員会に検査を求めても、良い反応は返って来ないし、関係者の関心もあまりない感じ。まず関心を持ってもらいたい。
ただ、不安はある一方で、悪戯に不安を煽ってはいけないなと思っています。
所沢の有機農家さんの知り合いがいるのですが、所沢でダイオキシン騒ぎがあった時、自分の畑は汚染されていないにも関わらず、「所沢」というだけで、販売がガクンと落ちてしまって大変だったとのこと。
また、福島の原発事故の時には、牛乳の出荷制限を受けて、自殺してしまった酪農家さんがいました。
所沢のダイオキシンや福島の放射能のようなことには絶対してはならない。
農家さんは被害者なので、検査をするなら、きちんとその後の公表の仕方、出荷制限のあり方、補償のあり方、除染のあり方までセットで考えなければ。そんな議論を進めたいですし、これは、汚染地域に限らず全国的な話だと思っています。現代の公害のようにも思います。
まず、この問題を知ってもらいたい。
関心が広がることで、検査や除染などの対策につながっていきます。
勉強会のアーカイブが販売されているので、多くの人に、この問題を知ってもらいたいです。