『きみはどうなりたいの』って描いた絵に聞いたって話
昨日は帰宅後、夜勤に行く前の夫によるご飯を作り、ふたりで食べ、行くまでに少しあるから寝ると言い寝室へ向かう夫を見送り、ふと、絵が描きたくなった。
最近手にした色鉛筆。
使わないのも勿体無い。
その辺においてあるお絵かき帳をペラペラめくる。
割とどのページもくだらない落書きがかかれている。
その中から白紙のページを見つけ出し、花でも描こうと思っていた。
鉛筆でそれらしく下描きをしようとして、はて、私はこの世にあるものを描きたいのか?と思った。
すぐに花びらの下描きを消した。
そうして生まれたものを呟いた。
頭の中に『これはこういう形〜』というのが降りてくる。
私はそれを描くのが好きだ。
この子は何だろう。でもきっと、こういうものだろう。
淡々と描き続け、普段は手を出さない背景を塗り始めたはいいがどうにも上手くいかない。
私は、彼女(気分で絵は♀と思った)は宇宙に浮いているとおもった。
だから背景を濃紺にしたかった。
のに、何だの背景は…。
ここまで塗って夜中の2時近く。
眠さとダルさが限界だった。
えー、描くのやめよっかな……。
私は眠い頭でそう思った。
別に何かに出品するわけじゃない。
色鉛筆を使いたかっただけなのだ。
描きあげればnoteのネタになるが、あげなくてもnoteのネタになる。
けれど、もう、なんだかわからない彼女の事が好きだったので、このままは可哀想に思えた。
そうだ!!背景だけ描き直そう!!
この子だけ切り取ろう!!
普段はそんな面倒なことはしない。
そもそも絵にハサミを入れる人はあまりいないと思う。
それでもチョキチョキ切っていく。しっぽ?のところの青具合だけはいいなと思い写真に撮った。
そして私は眠りについた。
今朝見ていた夢はつぶやいた。
シルバニアファミリーがお家シリーズでお好み焼き屋さんを出したら、私のあの夢は予知夢ということだ。
そんな事をぼやぼやと考えながら背景を描き出した。
背景の下描き。全部塗るのがしんどいので彼女の形の線を引いた。塗らなくていいゾーンがあるだけで、気分が良くなった。
それからよくわからない泡をきゅっとした形を描く。
魂ってこういう形にされがちな気がする〜と私は描きながらおもった。
今度は大丈夫。
とりあえず彼女におさまってもらう。
良さそうだ。
昨日の夜は濃さにこだわり過ぎた。
今日は優しく塗っていこう。
そうして塗り上げたものは、やはりとても淡かった。
でも何か満足して彼女を置いた。ノリで貼り付けるつもりだった。
でも、なんか違うかも…と私は思った。
実は昨日、彼女のみを描いた時点から、向きは悩んでいた。
どの向きから見てもよかったからだ。
だから、色々撮ることにした。
暗く写りがちなため、色合いは多少いじってあるが、今回はそれも含めてお絵描きということにする。
まぁ、彼女がくるくるするのをみてくれ。
きみはどうなりたいの?
どの形が君の形なんだろう?
私はくるくるしたり、少し動かしたりして、彼女に居心地を聞いて、ふむふむとしながら、写真を撮った。
外の夕日が彼女を照らした。
そうだ。
1枚の絵の中に縛られていないのだから、どこでも撮れると、ベランダにでた。
そっと彼女を置く。
スマホカメラのシャッターを切った。
どの彼女も良かったと思う。
昨日、あの背景から助け出してよかった。
私が丁寧に塗ってたら彼女も何時ものイラストだった。
因みに、最初彼女を描いたとき、抱えているものを守ってるのか吸い取ってるのか悩んだ。
どっちでもいいかとおもった。
抱えているものに吸い取られて消えていく運命かもとかも考えた。
穏やかで柔くみえるから、たぶん温かい気がしちゃうけれど、本当の事はわからない。
描いた私にもわからない。
だから聞く。
『きみはどうなりたいの』