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それで、ここにそれを置くとするでしょ?
そうして、これをあっちに掛ける。
そうそう。
それからね、扉を開けてオレンジ。
裏口を開けたら、たわわに実るオレンジの木が目に飛び込んでくる。
そういう家、誰か知らない?
扉の色はエメラルドグリーンで塗装されてて、少しペンキが剥がれているの。
もちろん、坂を下れば青い海が見えるのよ。
カモメの声が遠く聴こえて、あなたは表の白いドアを開ける。
チリリンっとドアベルがなって、背の高い椅子に座ったまま、私は気だるげに挨拶をする。
とれたてオレンジで
オレンジティーを
氷がたっぷり入ったグラスにそそぐ。
カランっと涼しい音がして、騒がしい蝉の鳴き声が一瞬遠のく。
あなたは当たり前のように空いている椅子に腰掛ける。
そこはアンダーソンの席なのに。
というと
あなたは
自分にはアンダーソンは見えないから。
という。
もうっ。
透明な手紙を届けてくれた。
たしかに封を開いた感触と
そこに散りばめられた気持ちが伝わった。
早速返事を書かないと。
おっと、いけない。
透明ペンを切らしていたのだった。
あなたは待ってましたとばかりに
新作の透明ペンを出してきた。
商売上手なんだから。
まぁ、あっても邪魔にならない。
私はいくつか気に入った透明ペンを買った。
買ったばかりの透明ペンを走らせると
シャラシャラと涼しげな音がした。
砂浜に落ちる白い貝殻の気持ちを込めた。
あなたは
それを私から受け取って
また来るから
今度はグレープティーにしてくれといった。
私は気だるげに椅子に座り直し片手をあげて挨拶した。
チリリンとドアベルがなって扉がしまる。
さて、と。
私はよいしょっと椅子を降りて
ペンキと刷毛を探した。
あったあった。
渋いブラウンのペンキと刷毛。
これで、葡萄がたわわに実る棚と出会えることでしょう。
勿論素敵な山間の静かな所よ。
それで、ここにそれを置くとするでしょ?
#なんのはなしですか
#突如始まる物語
#オレンジって書きたかっただけ
#適当に創った
#私は魔女ですか
#いいえ
#ただのペンキ屋さん
#透明ペンは主流ですよ
#知らないの?
#作り込まれた物語は誰かに任せて
#私は遊びたいの
#ねぇ
#たくさん遊びましょう
#想像して創造するの
#堅苦しいことはなしにして
#あなたは何色で裏口を塗って
#その扉を開けたらどんな景色だと思う?
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