結婚してなかったら漆塗りの職人になりたかったかもな話
東京に行きやすかったあの頃。
友達と行ったビルの1角で、漆塗りしたお箸に模様をつける実演販売していた。出張ブースってやつで東京に居るのは今日までだという。
それはナイスタイミング!伝統工芸品も好きな私と友達は箸に次々模様が入るのを楽しく眺めた。
職人さんと話す。
楽しい。
とにかく艶々の漆塗りは憧れだ。(値段的に手が出ない。)
職人さんは「そんなに言うなら、こっち来てくれて、漆塗り覚えてくれたらいいのに!」と言ってくれたし、ブースの偉い人は名刺をくれた。遊びにおいで!よかったら本当に口きいてあげるから職人になりなって……。(お世辞でも嬉しかった。)
ちょっと本気でワクワクした。
でも、いやぁ、結婚するし無理よ…。
犬猫もいるし移動できんよ。
でも、名刺は有難く頂戴して、買いやすいスプーンを買って帰った。
帰りの電車で考える。
じゃあ、結婚する予定がなかったら…?
犬猫を少し預けておける家があったら?
今の仕事を辞めても大丈夫だったら?
してなかったら、預けられたら、仕事を辞められたら多分真剣に検討してたと思う。
どうしたら福井の漆塗り工房で働けるか。
もっと早く出会いたかった!!なんなら働き口もなく死にかけていた時に!!(そしたら踏ん切りついたかもね。)と思った。
そういや、子供の頃は色々な事に憧れてた。あの気持ちを伸ばしたら、私がやりたい仕事は山程あったじゃないか……。
子供の頃、興味のある世界は沢山あったはず。
案外、やってみたいことは門を叩けば受け入れてくれたのかもしれない。
でも…その沢山の煌めきを全て黒に塗りつぶすような出来事にぶちあたって、結果、お金になって、なんとか死なないで済むものしか私は選べなかった。
選べないところに辿り着くまで、自分1人で選ぶしかなかった。
ただ、1人では世界を知れない時もある。
子供達には、そういうことを教えてあげてよ!
多様性を認めるなら、どうかもっと、手を伸ばして大きな声で教えてよ!素敵な事は熱く語ってくれたらいいよ!
これはこうやって作るよ!これにはこれが必要だよ!って。
そうしたら、やっと、目標になる。
目に見える標識になる。
理想と現実が違くても、知らないままできなかった事に絶望するよりずっといいと私は思う。
標識の1つも無く自分で全部探せる子はね、そもそも凄い子なんだよ。
そんな凄い事は出来ないの!選びたい気持ちと、選べない気持ちが交差するその時はそっと力を貸してほしい。
解らないことは不安だよ。
けれど自分らしく生きたいの。
どんな子も。
『自分らしさって何だろ』って考える事が楽しくなるようなサポートが沢山あったらいいのに!
私、今大人だけど「どうしたらいいのかな…私」って途方に暮れる事が多い。
大人だから自分でなんとか探せるし、仕事してお金も作れるし、世界は広いことを知ってるけれど…それでも途方に暮れるんだもん。
子供達はもっと途方に暮れるよね。
子供達には知って欲しい。世界は広いことを。
だから、沢山の興味ある世界に少し深く関わってほしい。それには大人の手助けも必要だね。
まずそれには親や学校、周りの大人が元気じゃなきゃね。沢山の事にワクワクしよう!大人も!!
……大人の社会忙しなさすぎだよね。
なんとかならんかなー。
楽しいこと沢山あるよ。
知らないことも沢山あるよ。
たまに怖くて震えるよ。
それでも呼吸が続くというのなら
どうせ生きなくてはいけないというのなら
楽しくなるような事に出会い続けたい。
30代の主婦はそう終わりと始まりの春に思うのです。
ここまで読んでくれて有難うございます!
私は今、趣味の範囲だけど写真撮ったり、折り紙折ったりしています。(大人ですが褒められるとやる気が出ます。笑 スキやコメントは何時でも歓迎です☺)
もっとはやくから、好きな事を極めたかったなーってたまにモヤモヤしたりします。
諦めた事も沢山あったなぁ。
確かに大人になってからでも始められるけれど、もし、子供のうちにサポートしてもらえたら、もっと世界は広がったなって思うのです。
だから、願います。
子供達の未来が子供達と大人達でキラキラに磨かれていきますように。
沢山の世界に触れて、ぐんぐんのびていけますように。