美容室とこんぺいとう
新しい美容室は緊張する。
訳あって、新しい美容室へ行くことになった今回。
今時はタブレットで雑誌を読める美容室が多い。
私は雑誌はあまり読まないのだが、初めての場所、初めての美容師さん相手に、様子見としてタブレットを使用した。
見た雑誌は園芸系と鉱石系という、たぶん、美容室で開く人は少ないのではと思われる分類。
鉱石は原石の中でもファインミネラルと呼ばれる宝石になるようなものが紹介されていた。
どれも美しかった。
園芸の方は紫陽花特集が組まれていた。
私は紫陽花が好きだ。
祖母が大事に育てていた紫陽花を思い出す。
我が家の紫陽花は近所にはないピンク色と白の紫陽花だった。
我が家の土の成分がアルカリ性なのだろうか。
因みに、私が小さい頃から巨大だった紫陽花。
土替えなどはしていないのだ。
小さな私はすぐに茶色に変色してしまうピンクや白の紫陽花より自分の好きな色でもある青い紫陽花のほうがいいと思っていたが、祖母は他の家では出ない色のピンクと白の紫陽花たちを誇りに思っているようだった。
「我が家の紫陽花が一番可愛い」
そんな祖母の様子をタブレットに出てくるカタカナ品種を見て思い出す。
紫陽花は和名のほうが似合うのでは?なんて、思いページをスライドすると和名の品種が出てきて『これこれ』と密かに微笑む。
様々な品種があることはnote でフォローさせて頂いている『暮らしの花研究家さん』の記事で事前に知っていたが、本当に沢山の品種があるのだなぁとあらためて驚く。
名前を眺めて、付けた人の気持ちを考えてみたりする。
その中に『こんぺいとう』という名前をみつける。可愛い名前でほっこりする。ガクアジサイの種のようだ。私の知るガクアジサイより華やかだ。
そして、また、祖母の言葉を思い出す。
「婆ちゃんはガクアジサイのほうが好き」
ピンクの紫陽花は普通の(なんと言えばいいかわからない)紫陽花。
そして、ガクアジサイはヘッダーにお借りしたような姿。
ガクアジサイは北側のお隣と我が家を隔てるブロック塀の細いところでギュウギュウに育っていた。
祖母の北側の部屋のガラス戸から見える、控えめな姿のガクアジサイ。
彼女はそれを大切に想っているようだった。
小さな私はこれまた地味なガクアジサイの何がいいのかと思っていた。
でも、今ならわかる。ガクアジサイの可憐な品の良さは素敵だ。
そんな事を縮毛矯正の薬液を馴染ませている間に思った。
新しく行った美容室はよかった。
ケアの仕方や、コースの変更なども相談して決められたし、なによりカットが上手い。たぶん。
伸びて改めて思うこともあるだろうが、仕上がり直後の髪を見て『自分に似合っている気がする』と思える美容師さんを私はカットがうまい人と思っている。
要望を聞きつつ、丁寧にカットしてくれた。
それと、すごく地味なんだけれど、シャワーの途中で水が耳の縁に入ったなぁなんて思ってたら、すぐに拭ってくれたのが嬉しかった。これ、出来るようで、やらない人はとことんやらない。
最後のタオルドライにやればいいことといえば、いいことなので、たまたま気がついたのだとしても、仕事が細やかな人なのだろうと思えた。
髪はだいぶ傷んでいて、伸ばすにしてもカットしてケアしていくほうがいいんじゃないかということでカットをかけた。
これから暑くなるし、いいだろう。
また通って、髪質が良い状態で伸ばすなら伸ばそう。
そんな事を思ったのだった。
サポート設定出来てるのかしら?出来ていたとして、サポートしてもらえたら、明日も生きていけると思います。その明日に何かをつくりたいなぁ。