荷物の軽さは心の軽さ


旅慣れている人は、荷物が少ない。
お金がある人ほど財布はスリムだったり、整っている。
仕事ができる人や、生活の生産性が高い人の部屋にはモノが少ない。

よく、部屋の状況は心の状況とリンクしていると言われる。
心が整っている時、余裕がある時は部屋も整っていたり、掃除が行き届いていたりするのに対して、モノが散乱していたり、モノが捨てられなかったり、使ってもいないもので溢れていたり、そんなときの心の状態は想像してもらえればよくわかると思う。

ノマドとして世界中を旅しながら暮らすために
持ち物のほとんど全てを断捨離して暮らすようになってから9ヶ月が経とうとしている。モノが少ないと、モノを無くすことや、探すこと、収納に悩むこと、もので溢れて部屋が狭くなることも、そのために家賃やレンタルスペースを払う必要もなくなる。

所有にはお金も時間もかかる。

反対に、持ち物がシンプルになればなるほど
悩みや不安は片付いて思考もクリアになり、人生において優先順位もハッキリする。

たくさんの所有は、不安の現れかもしくは不足感からくる。

コロナでトイレットペーパーの買い占めが話題になったことがあったけど
あれはわかりやすく不安からくる所有欲求だ。
買い込む、買い占める、溜め込む、次から次へと行う消費活動の裏には、
不足感と不安が隠れている。

人生において何が本当に必要で、必要でないかを出来る限り早い段階で知ることが出来ればたくさんのモノに時間やお金を奪われることもなく、
一生懸命にそれらを抱えずに済む。

抱えているモノが多いほど時間やエネルギーは消耗される。
かの有名なアップルの創設者、スティーブ・ジョブスは同じ服しか着なかった。
理由は、毎日の中で洋服を選ぶ時間がもったいないから。
これを読んでいる人の中にも、洋服が増えるほど着る洋服がなくなるという現象に悩んだことがある人はいるはずだ。
実際にはたくさんの洋服があるのに、
選ぶことができないだけで
あるものが、ないと感じてしまう。

あの原因は、選択肢が増えることによるストレスと思考停止だ。

選択肢がたくさんあることのほうが自由に聞こえるかもしれないが、
多すぎる選択肢はストレスとなり、人間はそれをやめてしまう。

これについては、ジャム理論というものがある。

スーパーに24種類のジャムと6種類のジャムをそれぞれ陳列し、購買行動の変化を調べた。商品の種類が多い方が選択肢や自由度が増えて売り上げが伸びそうだと予想したが
実際には、6種類のブースの売上の方が購入率が高く、選択肢を1/4に減らしたら売り上げが10倍となった。

洋服を選ぶとか、靴を選ぶような毎日行う些細なことにストレスがかかっていたら?エネルギーを知らずうちに消耗していたら?


私は自分をミニマリストだとは思わない。
ミニマリストに多い、合理性や生産性を意識して暮らしているような主義でもないし、
無駄を徹底的に排除しようなんてことは思っていない。

だけど私にとって、モノに支配された生活は不自由だった。
手放せないモノの数々、使っていもいない高価なもののコレクション、
要らなくなると邪魔になるものに、移り変わる流行にお金を払ってきた。
誰かが持ってるもの、人気なもの、不足感を埋めてくれるものを手に入れてきた。

今は、持ち物の一つ一つに深い愛着と、所有している意味がある。
余分なもの、持て余しているものはひとつもない。

同時に、選択肢に悩む時間、モノを無くしたり探す時間、
そういうものも完全になくなって荷物と一緒に、心もすごく軽くなった。
荷物が少ないと、好きな時に自由に世界中、行きたいときに行ける。
荷物の少なさは行動力を上げて、活動範囲を広げる。

帰らなければならない家も、
処分に時間もお金もかかるような重たくて動かせない家具も
スペースを取るようなたくさんのものも、
かかり続ける固定費も契約のような縛りも、何もないのだ。

たくさんの選択肢に溢れていた頃や
色んなモノを所有していた時よりも遥かに今の方が自由を感じている。





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福井なな
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