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島に行きたくなって。
久しぶりにしっかりと文章を書きたくなってnoteを開いたら、前回はなんと2018年のライジングサン記。久しぶりにも程がある。そうこうしている間に世界を覆う空気はがらっと変わり、またこれからも変化は続くだろうけれど、気軽に海外どころか県を跨ぐ移動もままならなくなって1年以上。絵もうまく仕上がらなくなって、島に行きたい欲がどうしようもなくなっていたので、梅雨明けのタイミングで県南へ。
当初、船に乗りたくて伊島を考えていたけれど、船で渡る離島へ足を踏み入れるリスクはゼロではないこと、島民側なら嫌だろうなと推測し(正しくは近しい人にそう諭されたからというのが大きい)今回は、橋で繋がっている竹ヶ島へ行くことに。橋で繋がっているから大歓迎かというとそうではないことも理解した上で、ひっそりと。
徳島市内からひたすら南へ1時間半とすこし。
海沿いを走り続けて、ぐんぐん変わる景色の色と風の匂い、音楽はくるり。この感覚、久しぶりすぎて泣けてくる。もう少し走れば高知県、というところにその島はある。
島に渡ってすぐに港。ちょうどお昼どきで、木陰で漁師さんたちが涼みながら大声でお喋り中だった。
港の端に、恐る恐る車を停めさせてもらって、まずは竹ヶ島神社へご挨拶。かなり急な階段を登ると、小さいけれど綺麗に手入れされた本殿。神輿が仕舞われている小屋もあり、島には神事がしっかり根付いていることが伺える。
手水舎の下には、貝の装飾が。島ならではですね。
こちらの神社の隣から、四国の道、が始まっていて島をぐるり周遊できるようなので登ることに。画材と撮影機材を詰め込んだバックパックを担ぐのも久しぶりで、さらに想像以上に険しい遊歩道をひとり、汗だくでひたすら歩く。途中、ヒシャゴ磯に降りたくて、頑張って下ったけれど残念ながら磯に行き着く前に立ち入り禁止、となっていた。でもそのおかげで島の名の由縁、竹林と、なぜかこの磯に向かって人の手で作られたという七段の石段を見ることができた。ものすごく神聖な空気で、ひとりでいることがおそろしいような、清々しいような、不思議な感覚。
ここまでの道もかなりハードだったけれど、気を取り直して頂上を目指す。
呼吸は快適なリズムとは程遠く、まだまだ体力ないなあと実感。
しばらく無心で登ると、ついに頂上へ。
!!!!頑張って登ってよかった。
簡易な展望台があり、当たり前だけど誰もいない。猿か何かが食事をしたような跡(木の実?)がテーブルの上にあるだけ。
お腹はペコペコだったので道の駅で買ってきたちらし寿司をいただく。県南だけあって、柚子酢がきいていて酸っぱめ、好みの味!
そして岩の上で絵を描いてみる。海と風の音を感じながらスケッチするのもいつぶりだろう、やっぱり生き返るなあ。
途中、一本色鉛筆が岩を転がり落ちてゾッとしたり自分もバランス崩しそうになって心臓止まりそうになったり、、洒落にならないので気をつけます。
しばらく景色と風の匂いを堪能して、降ることに。
出典:竹ヶ島公式サイト
下りは楽なもので、息が切れることもなく、しかし島の東へ向かうので台風の影響で波が高いのが音でわかって、ああ、今日は船に乗らなくてよかったんだな、とおもう。
苔むした階段。人の気配はないけれど、でもそこここに先人たちの愛を感じる。
ずいぶん下りてきた。波が高い。
島の北東の浜。激しい波とごろごろの岩。
港まで集落を突き抜ける道。ここでおじさんに"あんた、どこから来たん?"と声をかけられ、"徳島市内です、一番上まで行ってきました"と伝えると、"ええ?ひとりで?エライなあ。暑かっただろう"とにこやかにお話ししてくれる。
"またきーよ"という言葉にほっとし、港へもどる。
港の倉庫。同じ苗字の人が多いのだろうか、下の名前が書かれている
また来ます!
[番外編]
帰りに宍喰温泉へ。その真前にある浜から、竹ヶ島をのぞむ。
台風の影響でずいぶん波が高い。
脱ぎ散らかした自分の持ち物の、色の統一性に笑ってしまった。
全然移動しなくなったことが、少しずつ自分の創造性みたいなところを狭くしていたのだなあとおもったから、また南へ、絵を描きに行きます。
船で渡る島にも、気兼ねなく行ける日がまた早く来ますように。