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楽しみながら、気づいたら身についている~Nちゃんのエピソード~
今回は0歳の頃からミュージックケアに参加してくれているNちゃんのエピソードです。9月に入園を控えたNちゃん。先日行ったプレ保育で起きたうれしい出来事をママがお話してくれました。
今回のお話*****************************
■ 入園前ですが、ばっちりです!
■ ばっちりな理由はこちら
■ 楽しみながら、気づいたら身についてる!
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■ 入園前ですが、ばっちりです!
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Nちゃんは先日、入園する園でプレ保育を体験しました。そこで、楽器を使った活動があったそうです。周りの子どもたちは、初めて手にする楽器に大喜び!大騒ぎだったそうですが、Nちゃんは慣れたもの(笑)落ち着いて楽器を持って、先生をしっかり見て、音楽をよく聴いて楽器を鳴らせたそうです。ママは、「ミュージックケアに参加していたおかげで、落ち着いて活動にさんかできた」「音楽や先生の話をよく聴けた」と嬉しそうにお話してくれました。
■ ばっちりな理由はこちら
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ママからの報告、とてもうれしかったです!もちろん、全てミュージックケアのおかげ、というわけではなく、園の先生のお話や活動内容が分かりやすかった、というともあったと思いますし、普段からママとお子さんの関係がよく、安心してプレ保育に参加できた、ということもあったと思います。敢えてミュージックケアの効果、という点で考えるなら、次の二点があげられるかなと思います。
① ミュージックケアには、楽しみながら自然に「聴ける」ようになる
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ミュージックケアに出てくる、「ランラン」や「クルクル」などの動きは「身体表情表現」と呼ばれています。この身体表情表現や、鈴や鳴子などの楽器、これらは実は「音楽を聴くためのアイテム」です。(もちろんそれ以外の意味もありますが。)ミュージックケアの身体表情表現は、音楽と動きがばっちり合っていて、自然と「クルクル」したくなる、「ランラン」したくなるメロディーやリズムと組み合わせられています。初めはママが優しく手を取って一緒に体を動かす。そのうちミュージックケアトレーナーを見ながらまねできるようになる。気づいたら自分で音楽を聴いて合わせられるようになる。音楽と身体表情表現、楽器が組み合わせられることで、楽しみながら自然と音楽を聴けるようになってきます。
② みんなとやるって楽しい!他者を意識し、一緒に楽しむための準備ができる
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音楽が聴けるようになると、他者を意識できるようになる。ミュージックケアでは、動きの前に「アインザッツ」という合図を入れることで、参加者が成功体験を得やすく、一体感を感じることができるようになっています。「はい!」「パンパン!」と全員の手拍子がそろう。「みんなの手拍子がそろうとかっこいい!」「なんだか気持ちがいい!」そんな経験が積み重なると、他者を好意的に感じるようになります。一人もいいけど、みんなとやるのも悪くないな、またみんなと一緒にやりたいな。そんな気持ちが芽生えると、他者を意識できるようになる。他者を意識できるようになると、他者に伝えたり、他者に優しくしたい、と思うようになります。
「音楽が聴けるようになる」「他者を好意的に感じ、他者を意識できるようになる」これらが入園前に少しでもできる。これって入園に向けてけっこういい準備になるんじゃないかな、って思っています。「聴く準備」「お友達と楽しむ準備」ができていれば、先生のお話をよく聞いたり、お友達とスムーズに活動できたりするかもしれません。入園でなくても、何か習い事を始める、例えばリトミックを始める前にしても、「音楽を聴く準備」「お友達と楽しむ準備」ができていれば、より、リトミックを楽しめるかもしれません。
■ 楽しみながら、気づいたら身についてる!
ミュージックケアは、「その人がその人らしく生きるための援助活動」です。一見リトミックと似ていますが、音楽家としての音楽の技術を身に着けるための教育であるリトミックとは実は違って、リズム感を身に着けたり、音感を身に着けるためのものではありません。
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例えば「音楽を聴けるようになること」で、相手の話を集中してしっかり聞けるようになる。それによって、家族やお友達とよりよい関係が築けるようになるかもしれません。「他者を意識できるようになる」ことで、園や学校生活がより楽しいものになるかもしれません。そんな、よりよい人生を生きるための力を、楽しみながら自然に身に着けることができるミュージックケア。Nちゃんのよりよい人生への手助けが、ちょっとできたのかな、と感じるエピソードでした。