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影響を受けたエッセイ漫画「僕の小規模な生活」

エッセイ漫画を描く上で、参考にしている作品はたくさんありますが、中でも強く影響を受けたのは「僕の小規模な生活」という漫画作品です。

漫画家である福満さんと、時折り出身地の九州弁が飛び出す「妻」さんとの日々を、柔らかい絵を用いて辛辣に生々しく描いています。

内容は、あまり漫画家として売れておらず妻さんが生活費を稼いでいた頃から、漫画家としてそこそこ仕事が取れるようになり、子どもも生まれ父親としての責任に目覚め始める頃まで、夫である福満さんの目線で淡々と綴られていくのですが、どのエピソードもどこか覚えがあり恥ずかしいのです。

福満さんの漫画を面白くする手法なのかもしれませんが、恥ずかしいエピソードほど飾らず正直に、かつ丁寧な心理描写がされていて、それが一周回ってギャグになっています。誰しもが、一度は抱いたことがある痛い感情を拾うのが上手い作家さんという印象です。

大手出版社の雑誌で連載を抱えていても、決してスーパーヒーローではなく、中の人は自分と同じ生活をしている人間なんだ…そんな安心感がある作品です。安心感や共感に特化しすぎてもはやこれは「覚醒コンテンツ」では?という気がしているのですが…

そこまで内容が生々しくても心地よく読めるのは、絵柄がもっちりしていてかわいいからなのでしょう。女性のボディラインと緻密な背景はこの作家さんにしか描けない魅力があります。

大手青年誌「モーニング」で連載されていたので読んだ方も多いと思いますが、強く印象に残ってお手本にしている作品なので、noteでご紹介させていただきました☺️

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能登ひなみ
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