A子さんの恋人
ついに最終巻を読んだ。
私たちの名前は記号だ。女性は結婚などで苗字が変わることもあり、段々何が本名なのかわからなくなる。アイデンティティは名前によって確立されるものではなく、個人の能力ですらなく、一体何によって私が私たり得ているのか、いつも不確かになる。
A子さんが英子になった時、それは彼女が自分で自分を選んだ時だ。
誰かからのラベルではなく、自分でこうありたいと思った時、初めて世界に色がつくことに、いったいいつ頃気が付いたんだろう。
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