太平洋戦争 戦訓2

第二遣支艦隊戦時日誌
昭和19年2月1日から2月29日

目次
1.経過
(1)敵情
(2)わが軍の状況
(3)作戦指導
(4)隷下艦船部隊の行動
2.人員の現状
3.令達報告等
4.参考
(1)戦訓
(2)写真
5.作戦経過概要

1.経過
(1)敵情
イ.敵空軍の動静
敵空軍は依然南支沿岸海上交通破壊戦に力を注ぎつつあるものの如く本月5日第71船団被害の例に徴するにまず諜者により船団出港日時を探知し該船団香港を離れるや電探を有するB24を以てこれを捕捉しさらにB25を糾合して反復攻撃するの手段を講ずるに至れり。ゆえに天候の障害を以て敵機出撃の惧れなしと即断するを得ざるに至れり。今後船団の航路選定に当たりては天候のいかんを問わず出来うる限り用心航路を採り戦闘機の充実に伴い常時上空哨戒を行うの要切なるものあり。又陸軍部隊との連携を密にして敵機来週の探知に努るとともに防諜に関し陸海一体となり一層厳戒を要するものと認む。また敵は前月下旬以来東部基地を強化しあり。これが整備と相まって東沿岸下の揚子江方面への出撃も想像せらるるに至れり。
敵機の台湾空襲は12月下旬以来南雄遂川等より数回にわたり出撃せるもの如くついに本月中旬夜間高雄港外に磁気機雷を敷設せり。
右磁気機雷は揚収調査の結果,磁気感応回数1回から8回にして、爆発する如く自由巧妙なる調節装置を有するをもって数回の掃海により安全なりと即断するを得ず。当方面香港夏門港外にもこの種の機雷敷設との公算少なしとせず。
敵はわが戦闘機帯の香港進出後、之が攻撃に焦慮しあるものの如く〇〇飛行場爆撃の目的をもって香港に来襲せり。1月香港来襲時にも従来の攻撃目標たる造船所滞泊艦船等よりも主として戦闘機隊基地を爆撃しあり。その都度わが戦闘機の出撃により4,5機を撃墜せられたり。然れども敵機は依然桂林を中心都市〇〇等に進出し相当機数をもって南支方面攻撃の機を窺いつつあり。陸上海上ともに厳戒を要す。本月中における当方面鉄器出撃状況左表のとおり。
以下略

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