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エッセイ:真っ直ぐで正しい一日

何気ない日常の一コマが、何年も経った後、自分にとってかけがえのない思い出になることを最近実感する。

例えばだけど、中学生の時に、母と夜道を散歩して、帰りにコンビニでアイスクリームを買ったこと。

中学生の時に転校した私は、学校に馴染めず、友人関係に悩んでいた。
女の子なら少なくとも一度は経験しているかもしれないけれど、例えば急に無視をされるようになったり、陰口を叩かれたり。
特に部活動が辛くて辛くて、

「やめたい、悔しいからやめたくない、でも行きたくない」

ずっと葛藤していた。

次の日に学校に行きたくなくて、お腹が痛くなっていた。


そんな私を見兼ねて、よく母は

「夜のお散歩に一緒に行かない?」

そう誘ってきた。

辛かった思い出。

ひんやりとした夜風

私のことなんて関係なく煌めく星

暗闇の中、じんわりとオレンジ色の光を放つコンビニ


次の日のことを考えるときゅーーと胸が締め付けられるような思いをしながら歩いた夜道。


辛かった。辛かったはずなのに、今の私にとってはとても温かい思い出。



留学や、海外旅行...そんな非日常的な経験もこれまでいくつかしてきたけれど、ふと思い出すのは、そんな何気ない日常。

きっとそれは今の私を、そしてこれからの私をも構成していく大切な思い出。




ついこの間、夕陽に照らされ、まるで星屑が散りばめられたようにキラキラと輝く海を眺め、


「きっと、今この瞬間を未来の私は、ふと思い出すんだろうな」

そう感じた。


行こうと思えばいつだって行ける地元の海。

でもその景色は、あまりにも濁りがなく、正しく真っ直ぐだった。

わたしは胸が熱くなって「今」というこの時を噛み締めた。


世の中の汚れたもの


例えば、それはもちろん自然環境の汚染された部分も含むし、他人を蔑んだり傷つけたりする社会、


そして自分の中にある負の感情もそう。


全然全部、この煌めきの中で溶けてしまえばいいのに!!


そう思った。




そんな光景を目に焼き付けて、とにかく私は人間らしく自分が真っ当だと思えるように生きようと思った。




私の中の真っ当は本当に当たり前のこと。

他人の悪口を言わない

傷つけない

ずるい生き方をしない


そんな当たり前
だけど大切なことを守れていないと、きっと自分の中の何か、とても大切なものが壊れる気がする。


未来の自分が

「わたし、不器用な人間だし、沢山失敗したけど、ちゃんと生きてるな」

そう思える生き方がしたい。


冬が本格的に始まろうとしているこの瞬間、
冷たい風に吹かれながら、込み上げてきたこの感情を、大切に心に刻んだ、そんな真っ直ぐで正しい一日。

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