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たくさんの「笑顔」から伝わる真心。ノウハウじゃ再現できない和菓子屋さんのメッセージ【カムカムエヴリバディ】
4月9日に最終回を迎えた、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』。誰もがしあわせな結末を迎え、三代目ヒロインの恋模様もはじまりそうな見事な大団円で幕を下ろしました。
るい編の途中から観はじめた私にとっては、「算太ー!」「安子は誰?」「勇ちゃん!」など、ラストへの盛り上がりについていけず、一抹のさみしさを感じることも。でも、こればかりは安子編から観ている方々へのご褒美でしょう。100年にわたる壮大な物語なんですから。
・誰かを想って行動すること
・いつかに備えて、日々鍛錬すること
・なにげない日常をいつくしむこと
・どこか遠くでつながっているご縁を大切に、日々過ごすこと
・誰もが間違えるけれど、きちんと想いを伝えること
後悔なくしあわせに生きるヒントを、実にバラエティ豊かな登場人物から教わりました。記憶に残したい大切な朝ドラになりました。虚無さん大好き!
長過ぎる前置きはこれくらいにしまして。カムカムの和菓子指導の和菓子屋「吉乃屋」さんが、大阪府松原市にあるということを最終回4日前に知りました。
「実家に、ほど近いやないかい・・・」
実家の両親にすかさずLINEで情報を伝えると、わざわざ買って送ってくれました。親の愛情に感謝。
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どら焼きに焼印が!私にはどうしても「大月」に見えてしまうカムカムマジック。
そして、本日の主役はこちらのリーフレット。
ところで最終週では、和菓子屋のリーフレットが重要な役割を果たしていました。おはぎを通じて、苦しい時期に出会った“おはぎ少年”と再会するシーンに胸が熱くなりましたね。
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吉乃屋さんのリーフレット、こう書かれてあります。
一菓一笑(いっかいちえ)
笑顔って素晴らしい
笑顔の人は素敵です
私は笑顔が大好きです
笑顔いっぱいで過ごす
幸せだなあ
笑顔の真ん中に和菓子がある
幸せだなあ
お菓子ひとつで笑顔になれる
お客様と笑顔をお届けしたい
お客様の笑顔が私の喜び
笑顔あふれる菓子屋でありたい
御菓子司 吉乃屋松原
店主 中西信治
いやー、参った。純粋でまっすぐなメッセージに、涙があふれてとまりません。1枚の中に「笑顔」が大渋滞です。
ここで、ライターとして気になるのが「笑顔」の言葉を多用していること。同じワードを乱立させないなどは、ちまたにあふれる文章術の基本です。
なのに、不自然な感じはまったくしないんです。
もしかしたら、あえて、戦略的に、印象深くするために、同じ言葉を繰り返したのかもしれません。でも、吉乃屋さんの文章からは狙った感じは見受けられません。
おまけに、読んだ瞬間、カムカムのあのおまじないが自然と思い浮かびました。
小豆の声を聴けえ 時計に頼るな 目を離すな
何ゅうして欲しいか小豆が教えてくれる
食べる人の幸せな顔を思い浮かべえ
おいしゅうなれ おいしゅうなれ おいしゅうなれ
その気持が小豆に乗り移る
うんとおいしゅうなってくれる
甘えあんこができあがる
和菓子監修に携わられたということで、ドラマの世界観やメッセージに通じるものがあるから余計に、素直なメッセージにぐっときてしまうのかもしれません。
背景が想像できるものに、ノウハウやハウツーなど、小手先のテクニックは不要ですね。
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最中をいただきました。皮とあんこのセパレイトタイプ、大好き。パリパリ&しっとり。
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見てください、このまめまめしいあんこ。粒の存在感たるやです。あま〜いあんこ、あっさりあんこ、絶品でした。
わざわざ買いに行ってくれた両親、配送してくれたヤマト運輸の方をはじめ、お菓子をつくった人、梱包してくれた人、お会計してくれた人の笑顔までもが、お顔はまったくわからないけれど勝手に思い浮かべてしまいます。
パクっと食べて、このひとつのお菓子に関わった人たちすべての人とつながるしあわせ。
素直でピュアな、まっすぐなメッセージ。今はこのほうが、伝わるのかもしれません。いや、私だけでしょうか?
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<店舗情報>
名称:御菓子司 吉乃屋松原
住所:大阪府松原市阿保3丁目1−27
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