野草食日記 326 ターメリックライスみたいなクチナシご飯
私は北鎌倉と大船に挟まれたエリアに住んでいます。
里山が近くにあり、自然豊か。
うちの2階からは、電線に視界が遮られることなく山を見上げることができます。
朝になれば、樹々の間から陽光が四方八方に煌めく神々しい様子や、山際まで移動したお日様が静かにその姿を現す瞬間も眺めることができるのです。
東京駅から1時間ほどの場所で、こんな体験ができるのは嬉しく、本当にありがたいことだなと常々思っています。
そしてこのエリアは、地域に住む人同士のつながりが密接ということも大きな特徴です。
町中を歩いていて、顔見知りでなくても「こんにちは」と挨拶を交わしたりするのも日常ですが、それ以外にもお正月に子供獅子舞が近所を練り歩いたり、夏になれば山の見晴らしでお月見の催しが、秋には焼き芋イベントなどなど。
これは全て住民が自主的にやっていることです。
そんな地域のつながりのひとつに、町内のグループLINEがあります。
投稿されるのは先の獅子舞やお月見などの地域のイベント情報や、ワークショップのご案内、共同購入のお誘い、我が家の不用品要りませんか?!というものまで様々。
そういうのも強制になってしまうと息苦しさを感じるものですよね。
でも、自分の興味があるものだけに手を挙げられる自由さがあるところが、この地域の良いところだなと思っています。
さて、昨年末、町内のグループLINEに「我が家になっているクチナシ使う人いませんか?!」という投稿がありました。
今年のお正月はおせちを作らないことに決めていたので、その時は返事をしませんでしたが、7日を過ぎた頃、きんとん以外にも何かに利用できないかな?!とふと思い、投稿していたご近所のYさんに、まだある?!と連絡をしたところ、あるよーとの返事。
そこで頂いてきたのが、こちら。
丁度、息子がうちに来ていたタイミングだったので、ターメリックの代わりにクチナシを使ったご飯を炊き、スパイスカレーに添えることにしました。
お米4合にクチナシ7つ。
丸ごと水に漬け置いたら、色の出が薄いので途中ハサミで細かく切りました。
水が色鮮やかなオレンジ色になったところで濾して、シナモン、カルダモン、粒胡椒と一緒に炊き込みます。
クチナシの味や香りよりは、どちらかといえばスパイスの香りが立っています。
カレーに添えて、全く違和感がありませんでした。
綺麗な黄色で気分が上がるクチナシは、薬膳的にはどんな性質を持つのか気になったので、ちょっと調べてみました。
クチナシは中薬学では山梔子(さんしし)と言います。
帰経は心・肺・胃・三焦、性味は苦・寒です。
山梔子は清熱薬に分類され、多くの清熱薬が寒涼性であるように山梔子も寒性です。つまり冷やす性質があるということ。
イライラして心に火がついたような時に気持ちを落ち着かせたり、目や舌の充血を取り除いたりする働き、解毒や消炎作用等がありますが、同時に身体を冷やしてしまうため、胃腸が弱く冷えのある人の取り過ぎには注意が必要なようです。
まぁ、今回はご飯とカレー両方にクミンやカルダモン、唐辛子などの身体を温めるスパイスを沢山使っているので、バランスは取れているかなとは思います。
クチナシ Gardenia jasminoides
アカネ科クチナシ属の常緑低木