野草食日記 318 四方竹と油揚げの煮物
働いているお茶室の庭では、蔓延ったり景観が悪くなるために嫌われている植物がいくつかあります。
蔓植物のヤブガラシや、地べたにべっとりと張り付くゼニゴケ、種を沢山落として生育面積を増やしていくヌスビトハギ、庭の景観をザワザワした雰囲気にしてしまうイネ科全般。
お茶室に生えるイネ科植物の中には、隣家との境に植えられている細い竹のような (見方によっては笹のような) 植物があって、これが秋になるとあちこちに伸ばした地下茎から隣家との境界であるなしに関わらず、生えてきてしまいます。
平らに整えられた広場からぴょこん、美しい苔のエリアにもぴょこん。
とんがった先っぽが意に反した場所にツンツン顔を出すことから、お茶室仲間の間では通称「ツンツン笹」と呼ばれています。
そのツンツン笹が、実は高知県で食べられている「四方竹」らしいということがわかったのが昨年秋のこと。
断面が丸くなく四角であることから「シホウチク」というのだそうです。
この種類の竹は、鎌倉地区ではお茶室が建っている周辺のみで生育しているらしいと言う情報も耳にしました。
本当でしょうか。
今年もツンツン笹に悩まされる時期になり、沢山除去(収穫?!)されたので、食べられるか試してみてというミッションを受け、家で料理してみました。
持ち帰った四方竹はどれも細くて、皮を剥くと筋っぽさ満載な感じ。
それでも気を取り直すように油揚げと煮てみました。
香りは美味しそうです。
食べてみると案の定、細くて存在感がなくしかも筋っぽい。
夫も何じゃこりゃ的反応。
うーん、敢えて2度目はないかなぁというのが正直な感想でした。
でも、四方竹は場所によっては道の駅などで売られていたりもするようで。
多分、ちゃんと選ばれたぷっくりと太い個体が販売されるのでしょう。
四方竹を生産する農家もあるようですから、肥料をやったり間引いたりなど手をかけておいしいものを育て上げるのに違いありません。