野草食日記 227 ウシハコベと七草粥
昨年、うちの隣の空き地を借りて家庭菜園を始めました。
今、ルッコラやほうれん草、ベビーリーフ、春菊など、ちょぼちょぼと育てていて、それなりに食卓の彩りになっています。
そんな葉物野菜よりも勢いがいいのが、ハコベ達、そしてカラスノエンドウ。
畑の殆どを埋め尽くしていて、その間に野菜が顔を出している状態。
ハコベ畑、カラスノエンドウ畑と言った方が正確かも・・・。
そんななので、間引きを兼ねて、時々野草を入れたお粥を1月7日に限らず日常的に作っています。
私は母がA型、父がO型で、その両方の特性を持ち合わせているようです。
そのせいかどうかわかりませんが、どうも「ちまちました」作業は苦手。
野草って小さい葉っぱのことが多く、摘むのが正直めんどくさいのです。
ハコベも小さい。
ところが一昨年、茶室の庭でウシハコベなるものの存在を知りました。
葉っぱが大きめで、摘むのがハコベに比べると楽なんですよね。
そして食べでもある。
目が慣れてくると、あちこちでウシハコベを発見するようになり、なんと、うちの畑にもありました。
上の写真では、真ん中の大きいのがウシハコベ、その周りのシュワシュワとした小葉が普通のハコベです。
うちの七草粥は大根をみじん切りにしたもの(あればカブも)、家の周りで取れた野草、野菜が基本です。
冷蔵庫の緑色の野菜を足して作ることもあります。
春の七草を全て使わなくても、ハコベを入れると不思議と七草粥の味になってしまうのですよね。
ハコベの他にどんな野草を入れているかというと、畑のカラスノエンドウ、オオアラセイトウの若葉、大根の葉(再生野菜)、セリ(昨年裏庭に移植したもの)、ノゲシなど。
昨日はブロッコリーのみじん切りを加えたら、それも美味しかったです。
野草をみじん切りにしたのが余ってしまって、パセリ代わりに料理に使うと土臭くて合わないということが時々起こります。
お正月にすき焼きの残り汁で作る、我が家定番のすき焼きライスというのがあるのですが、合わなかったらどうしよう・・・と恐る恐る野草を入れたら美味しく仕上がりました。
それに気を良くして、キムチチゲの煮汁で作った雑炊にこれまた加えたら、そちらもうまくできました。
〜余談〜
すき焼きライスを作り始めたきっかけは田辺聖子さんの小説「蝶花嬉遊図」に出てくる牛肉めしから。
小さく縮んだ脂が白く固まった鍋に、ホンノ少しお湯を入れて温めながら、昨夜の旨みを木べらでこそげるようにする。残っている具や割り下少々を加え、ご飯を入れておつゆを全部吸わせる。
決して上品じゃない、ちょっと後ろめたいような美味しさはたまらない。同居人、恋人、友人・・・男女関係は問わないけれど「そんなしみったれたことしないでサッサと鍋を洗おうよ!」という人よりも、茶色いご飯を頬張って、目と目で笑い合える人が好きだなぁ。