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野草食日記 277 ハコベの辛子和え

春の七草のハコベをサラダに混ぜると、ちょっと青臭いようなクセを感じます。
ハコベを噛んだ瞬間、すぐその存在がわかるんです。
あ、私噛んだぞ!って。

お粥に混ぜると美味しいのに、なんでこの匂いが気になるんだろう。
そんな気持ちがどこかにあるせいか、お浸しにして食べようという気にあまりなれませんでした。

同じように感じていた人がいたと、先日新たに購入した山菜の本を見た時に嬉しくなりました。
そこにはこう書いてあります。

ハコベは年中摘んで食べられるが、多少青臭いので、おひたしよりはからしあえに向く。 「山菜料理」斎鹿潤子著 より

同じ理由でオオアラセイトウは辛子和えにすることが多かったので、激しく納得がいきました。

うちの家の脇にはハコベが元気に育っています。
建物のすぐ横で、米のとぎ汁をしょっちゅう与えていたせいか、ぷっくらと大きくて瑞々しいのです。
早速辛子和えを作ろうと摘んでみたら結構な量が採取できました。

沸かした熱湯の中にハコベを入れてみると、不思議なことにいつもの青臭さではなく、ほうれん草のような香りが立ち上りました。
あれ?!と思いながらそのまま一口食べてみると、特有のクセが全くありません。味は香りのままのほうれん草で、しかもとても甘い。
辛子和えにしなくても十分美味しい。

なんだかきつねにつままれたようでしたが、すでに辛子と醤油を混ぜてハコベを入れるだけになっています。
ということで、当初の予定通り辛子和えにしました。

先日オランダミミナグサをおひたしにした時にも感じましたが、寒さに当たった野草は甘味が増すように思います。
一般的に春が野草のシーズンと言われますが、冬ならではの楽しみ方もあるのだなと、最近は思うようになりました。

野草の勉強や観察会のために使いたいと思います。