Otaru ✕ LIFE with Green.2
小樽の建造物をも飲み込む植物
苔生す…蔦絡む…なんて表現がまさにぴったり。小樽の景観には植物の存在はなくてはならない。
時折、建物を飲み込んでしまうのではないかと思う勢いを感じることも。
雪深い土地では、春がとても待ち遠しい特別な季節の様で。そんな春、雪解けに芽吹いたどんな小さな草花も愛しく思い、伸び伸びとした姿を皆、愛でてしまうのかもしれない。
いずれまたやってくる、厳しい寒さ。それまでは太陽と遊び、雨と戯れ…謳歌する植物達を微笑ましく思う。北海道の夏は短い。
あっという間にするりと。抱き締めたこの腕の中から消えてしまう…秋。
秋を何時までも何時までも探してしまう、そんな私に粉雪が舞う。もうやって来てしまったのですねと、ぽつり。
季節のグラデーションを感じる北の大地。突然に季節が変わるのではなく、名残惜しみながら次の季節が少しずつ顔を覗かせる。もうすぐだよと落ち葉が知らせ、粉雪はいつしか霰や雪になり…。
冬の小樽がやって来ます。
ドラマチックな街であったり、ロマンチックな街である、小樽。演出家は北の大地に降り注ぐ自然の恵みそのものなのではないかと。
小樽運河にはらりと浮かぶ落ち葉と、ちらつく雪の結晶が僅かな時間を知らせます。
どうぞ11月の小樽。刹那の時間。
きっと胸に一生刻まれる、そんな時間を…