ニューヨークの小学校事情
前回の幼児教育に引き続き、今日は小学校について思い出しながら書こうと思います。学校選びは悩ましいですね。選択肢が沢山あるのはありがたい事ですが、情報を吟味するのは大変です。娘の学校を探していた時によく聞いた言葉はプログレッシブな学校か従来型か。プログレッシブは生徒が能動的に、実験やディスカッションから学び、テスト以外の複数の視点から評価されるシステをとっている学校。宿題がなく、テストもあまりしないので、日本の教育とはかなり違いますね。日本人に限らず、このプログレッシブ教育には賛否両論あります。
やはりテストをしてどのくらい学びが進んでいるかを確認したり教科書があってガイドラインにそった教育の方が安心と考える親も多くいるのが私の印象です。 教育スタイル以外にも、私はアフタースクールのクラスが豊富にあるかも大切な指標でした。アメリカでは親やシッターなど大人が学校まで迎えに行かなければならないので、2:30ごろに学校が終わってしまっては働いている親には早すぎますから。それからニューヨークのギフテットのプログラムも面白いかなと思っていました。
娘は4歳の時にこのギフテットのテストを受けました。一番びっくりしたのは、テストが終わって帰ってきた娘の第一声が「楽しかった!大人の人と話すもの楽しかった」だったことです。どのような事を聞かれたのかはあまり覚えてませんが、テストをしてくれた先生が子供が興味を引く話し方でテストをしてくれたんだと思っています。初めて受けたテストが楽しかった経験でホッとした事を覚えています。
テストは2つに大きく分かれていて。言葉を使わないで空間認識や視覚的な論理性を見るテスト(Nonverbal Ability Test)と面接官と話しながら聴解力や論理性を見る(Otis-Lennon School Ability Test) テストがありました。
もしも興味がある方は過去問の本を子供と一緒にやってみるといいと思います。こういった問題が好きな子供はパズルのように楽しく問題を解いていくので、このテストに向いているなというのはすぐに分かると思います。娘も問題を解き始めてすぐに、問題の意図を理解し一人で日に何度も解いていました。
ギフテットのプログラムがあっても、学校によって実際にどんな事をするのかは違います。学校見学で大体の雰囲気はわかりますが、私の印象ではものすごくお勉強をさせる従来型と、プログレッシブと従来型の折衷教育を目指している学校があるように思いました。娘が選んだのは後者の学校です。娘の決め手は校庭が大きかったからだそうです!確かにニューヨークの学校では大切なポイントかもしれません。グラウンドや体育館がない学校もありますから。ほとんどの学校に校庭とプールがある日本の小学校とはかなり違いますね。
ギフテットのクラスを担当するのは専門のサティフケイトを持っている先生方です。生徒も教育に対する意識の高い家庭の子供が多い印象です。一般のクラスと同じでこのプログラムもインクルーシブな教育で、スペシャルニーズのお子さんも通っています。
娘の通った学校ではプログラムはニューヨークの公立学校で決められているガイドラインに沿っていますが、先生が独自のアプローチで、グループワークやプロジェクトを重視したスタイルだと思います。ニューヨーク州が行う共通テスト(ステイトテスト)の準備も4年生の時には授業中に時間を使ってしていましたが、他の学校と比べて特別多い時間を割いていたかはわかりません。宿題はほぼ毎日出ていましたが、これは習慣化するのが目的だったように思います。ドリルやエッセイ、リサーチなどの宿題が出ていました。その量は他の学校と比べて多い印象がありません。宿題に関しては学校や先生によってかなりの差があるような印象です。アメリカは日本と比べると、どの学校もプログレッシブなアプローチを使うことが多いと思います。
私がいちばん他の公立校の普通のプログラムと違うと感じたのは少人数だったことです。プリスクールの時もそうでしたが、私は少人数制で先生の目が届くのが安心だという思いがあります。娘の学校ではギフテットのクラスが2つあり、各クラス15人前後で全部で30人前後の生徒が6年間ずっと一緒です。一般的なニューヨークの公立校は25-30人前後のところが多いようです。
それから、この学校はアフタースクールプログラムがコロナ前はとても充実していたのも私は気に入っていました。運動系、アート系、STEMなど30ぐらいのプログラムが日替わりでありました。有料ですが共働きの我が家には必要な存在でした。YMCAの無料のプログラムもありましたので、選択肢があるのはありがたいですね。
2022年の6月に公立小学校を卒業した娘の体験を思い出して書いてみました。