それは誰の困り事?

「たんすから洋服を全部出すんです」
「冷蔵庫の野菜を勝手に食べるんです」

それは、保護者の困り事であって
本人の困り事ではない。

ただ、不適切な行動であることには変わりないので、本人に教えていく必要があります。

「ダメよ」でわかれば誰も苦労しません。

発達に課題があるのですから、
本人の何に焦点をあてて対応するのかを
考えないといけません。

①言葉が理解できるか
②理解できる方法はなにかあるか
③我慢できるか

例えば、になりますが、
「ダメよ」を理解しても、我慢ができず10分後にまた同じことをする子がいるとします。

となれば、お母さん、お父さんはまた言わなければならない、「ダメよ」「何度言ったらわかるの」と。1日に何度も。お互いにとって、苦痛の繰り返し。怒り、怒られ、いいことがありません。

そこでどんな工夫ができるのか。
①貼り紙をしてみる
→「洋服を出さない」と文字を書く
→洋服のイラストに✕を描く など

これで洋服を出さなくなればお互いに最高です。視覚的に示すことで記憶しやすくなったり、行動しようとした瞬間に見て思い出せるわけですから。

文字やイラストの理解ができなかったり、我慢できずに貼り紙に注目することができなかったりと、視覚的に示しても効果が見られない場合もあります。

その場合は、
②たんすを開けられないようにする
→ロックする

開けられないようにしても、こだわりが強い場合はロックが壊れるほど開けようとするかもしれません。そのときは、さらに強固なロックをつけることになるか、別の方法を考えます。

③たんすの中に数着だけ入れる
これはとても不便です。本人に見つからないように、別のたんすを準備して今ある洋服を移し入れることになります。本人の気持ちを満たすことができますが、消去していきたい行動なので、できれば①か②をオススメします。

そして、たんすから洋服を出す行動が、お母さんお父さんの気を引くための行動だった場合には、スルーが1番オススメです。「あー!」「もーまただー」など、声を出すことすらNG。その行動を始めたらそちらを見ない、表情も変えない。

環境調整が1番大切だということと、側にいる人も環境の1つだということを忘れず、保護者に伝えていきたいと思います。

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