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マコモダケの収穫をしてきました

マコモダケの収穫のお手伝いをしてきました。南砺市城端にある野菜が美味しいフレンチ料理のオーミリュードゥラヴィ(https://aumilieudelavie.com/)の澤田シェフのお誘いでご一緒させてもらったのは、石川と富山の県境近くの山の中。

マコモダケ(マコモタケという人もいます)は水辺で育つイネ科の植物マコモ(漢字で書くと「真菰」)の若い茎が黒穂菌という菌により肥大化したものです。外皮をむいた白い部分を食べます。生でも食べられますが、火を通すと甘くなります。アクもくせもないタケノコのような感じで、味噌汁、炒め物、炊き込みご飯、シチュー、カレー、天ぷらなど、いろいろなものに使えます。

食物繊維やたんぱく質、ビタミン、ミネラル、カリウムが含まれています。特に食物繊維が豊富で、腸内環境を整えてくれます。またカリウムを多く含んでいて、血圧を下げる効果があると言われています。中国や台湾ではよく食べられているそうです。

黒い斑点ができていることがありますが、これは黒穂菌の黒い色素によるもので、食べても問題ありません。この斑点は古くから眉墨、お歯黒などの染料として使用されてきたそうです。

マコモは米と同じようにぬかるんだ水田で作られます。収穫は、長靴を履いて、鎌で手刈り。米のように機械ではできません。葉が鋭いので、長袖長ズボンに軍手で覆っておかないと、切れてしまうことがあるそうです。収穫したものはかなりの重さになりますし、足元が歩きにくいので、なかなかの重労働ですが、大きなマコモダケを見つけると嬉しくなります。

富山県では地元の野菜を売っているお店やスーパーなどでもたまにマコモダケを見かけますが、もっと小さいサイズのものが多いです。(氷見市ではマコモダケを生産し、ブランド化することで中山間地域の活性化や、休耕田の解消に繋げる活動が県主導でされているそうです。)

この日参加したのは6名。時には談笑しながら、でも、夢中になるとみんな黙々と刈り始めたりして小一時間くらいでしょうか。カゴから溢れるくらいみんな収穫しました。


収穫が終わると、澤田シェフが用意してくれた、冷たいマコモ玄米茶。そして、かぼちゃのポタージュ。体を動かした後の美味しい飲み物は沁みます。

そして、お弁当。マコモダケの炊き込みご飯、マコモダケのソテーなども入った美味しい野菜たっぷりのお弁当です。


収穫したマコモダケもたっぷりいただきました。帰宅してからは、マコモダケ尽くし料理を。味噌汁、煮物、ピクルス、天ぷらなど。なんでも合います。特に天ぷらは、薄めに切って揚げるとスナック感覚で、ポテトチップスなどより美味しいと思うくらいでした。炊き込みご飯も筍ご飯のようでとても合います。


カリフラワーと一緒にピクルスに

マコモとても古くから地球にある植物で、今から6千万年から1億万年前も現在と同じ姿で存在していたことが化石によって確認されているそうです。

マコモは葉も活用されてきました。私がマコモを知ったのは、子どもの頃、祖母が体にいいからとマコモの葉の粉(炒って細かくしたもの)をお湯に溶いたものをお茶のように飲んでいたのが最初です。香ばしくて草の香りがして、私も美味しいと思って飲んでいました。

仏様が葉を編んでマコモでムシロを作り、その上で病人を治療したという話も残っているそうです。仏さまが、かわいがっていた象に、マコモの葉を食べさせたという話もあります。

また、出雲大社、宇佐八幡宮・神田明神、などの神社でもしめ縄や神事の際にマコモの葉が使われています。薬草として使われてきた記録もあり、聖なる草と言えます。

また、北米でよく食べられている「ワイルドライス」という黒っぽいお米のような食べ物があります。料理の付け合わせとして添えられていたりします。このワイルドライスは、マコモの草の実(種)です。このワイルドライスは、ネイティブアメリカンが特別な主食として食べ続け、祭りや儀式にワ奉納される神聖な食物で、「聖なる種」を意味するマノーミンとも呼ばれています。地域が違っても、この植物が聖なるものとして扱われていることはとても面白いと感じます。

栄養もたっぷりで体に良いマコモダケ、もっと知られても良いのでは?と思う食べ物の一つです。私は昔から、なぜかとても好きで、大地を守る会というところから買ったりしていました。富山では割と手に入りやすいのでとても嬉しくて、シーズンになると必ず買っています。今年はたっぷり収穫させてもらったので、ピクルスやキムチなど、保存食も作って、大切にいただいていこうと思います。



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