-危機から回復へ-その循環が加速する幻代。
情報化が効率的に為されゆく今、一次元・二次元空間が保有する主観的認識と情報が生産される多次元空間内に蓄積されたアーカイブの間にかけて隔たる壁が、情報が限りなく微分されつづけた結果、いまやそれが薄く、短いものになった。
するとソーシャル・メディアは感傷空間化され、メディア空間はそれを"操作"するにまで至る。
SNSでは政治・経済に関する陰謀論が蔓延し、蓄積されたアーカイブについての揚げ足取りが日夜跋扈する。
観照者はそれを把握し、利用し、自らの政治的・経済的権威の肥やしとして享受する他ない。
衰弱したロバの群れが、肉食獣の前にまんまと現れるのである。
しかも、感傷な人々が信仰希薄な"病種"を追い出してくれるときた。
そんなエサを食わないわけがないだろう。