自己満教室@深い話

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  • 認知トレード系+本質

    僕の記事読むなら読んでほしい記事軍。

  • 経済ニュース・金融へのリテラシーマガジン

    金融・投資・投機についての記事を書いて、まとめて、読むことでリテラシーを高めていくためのマガジンです。(個人的な見解を含みます。ご了承を〜)

最近の記事

なんで働くって不安なの?

第一質料と組織論——満たされないボウルの中にある存在論的差異。 1. はじめに 手触りのある物質を見てみると、それはどこから来て、どこへ行くんだろう? 物体が物体であるためには、形を持ち、性質を持っている。でもその形や性質が何から成り立っているのか、そもそもその前に何があるのか? アリストテレスはこの問いに「第一質料」という概念で答えた。物質の形ができる前の、何も決まっていない原初的な「何か」が存在するんだと。 この「第一質料」、つまり触れることができない、不確定で抽

    • 創造と共鳴:アートが映し出す社会の変容。

      a.社会と芸術の共鳴。 社会と芸術は調和の中に美を保存してきた。 ミロス島に産み落とされたヴィーナス像は、それが幾年もの時を超えて近代により発見される。 考古学の発達と近代経済学の成立は古物需要を増加させ、発掘技術の進化が人間にそれを発見させたのである。 古代美術の発掘はそのほとんどが近代になってからである。都市科学が進化したと同時に、人間の中にあるドロドロとした欲求が我々にそれらを発見させた。ゲームを制限されてきた子どもが大人になってから強烈にゲームをプレイするよ

      • 論理=思考の形態解剖。

        序説: 論理的思考とは、しばしば冷静な分析と正確な結論を追求するプロセスとして理解される。 しかし、実際には論理的思考には個人的な感情や志向性、さらには思考の伝達方法が密接に関与している。 その中で生じる独特の緊張感が論理を際立たせるのだ。 ここでは、論理的思考を理解するための2つの軸《通時性-共時性》と《事前性-事後性》について考察し、その動的発展を分析する。 a.通時性と共時性。 まず、通時性と共時性という概念に注目しよう。 通時性とは、個人が時間をかけ

        • フロー状態で無双する!!

          現代社会では、ストレスや不安が多くの人々にとって日常的な問題となっている。 しかし、ある特定の状態において不安がほとんど消失するという経験を持つ人も少なくないのである。 その状態こそが「フロー状態」と呼ばれるものであり、心理学者ミハイ・チクセントミハイ(Mihaly Csikszentmihalyi)によって初めて体系的に研究された。 フローとは、意識が完全にある活動に集中し、自己の時間感覚や自己意識が薄れる状態を指す。 この現象は、単にタスク処理がメンタルに良い

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        • 認知トレード系+本質
          5本
        • 経済ニュース・金融へのリテラシーマガジン
          7本

        記事

          Web3の独我、及びその可能性。

          序論。 Web3とメタバースは、インターネットの新しいフェーズとして期待されている技術革命の一端を担っている。 それは、現実世界の束縛から解放され、仮想空間において自由に行動し、コミュニティを形成できる新たな場を提供する。 しかし、この変化には、実存的な問題や社会的な懸念が潜んでいる。 メタバースにおける身体の不在やリスクの低減は、私たちの生活における物理的な危険や制約からの解放を意味するが、その一方で、個人の独我論的な状況と社会的現場の孤立化を助長する可能性があ

          Web3の独我、及びその可能性。

          問題は出てくる都度言語化するだけでいい。いちいち考えてたら脳みそぶっ壊れちゃうよ。

          問題は出てくる都度言語化するだけでいい。いちいち考えてたら脳みそぶっ壊れちゃうよ。

          学習則と社会的ダイナミクスの変容。

          序論:学習則の社会的定義と拡大。 社会の機能-構造パターンについて、その構成を明らかにしようとした研究者は山ほどいるが、著名な一人にタルコット・パーソンズがいる。 パーソンズは準拠枠-独特の言い方だが-サブシステムという概念を提唱した。これは認知のメインシステムを補助する副次的機能を持つ。本論の趣旨に沿って、そういう定義をしたい。 加えて、パーソンズのサブシステムはレイコフとジョンソンが言うような高度なメタファーの体系でもある。 メイン-サブシステム間で生じる概念の

          学習則と社会的ダイナミクスの変容。

          なぜ"頭が良いね"と言われるのか?

          頭が良さそうに見えるっていうのは実は方程式があってそれが この掛け算の値が高ければたかいほどその人の言ってることに正当性があるように見える。 "正当性があるように見える"ってことは他人はその言葉を正しいと認識するから、結果的に、いわゆる"頭が良い人"になれるということ。 この式は覚えといて損ないと思います。

          なぜ"頭が良いね"と言われるのか?

          自分が知らない知識は調子に乗らないための薬みたいなもの。 バカにつける薬とはこのこと。

          自分が知らない知識は調子に乗らないための薬みたいなもの。 バカにつける薬とはこのこと。

          現代アートの反時代的考察。

          現代アート、特に現代の絵画は、前時代的な表現材料をプラグマティックに加工することでその価値を保全しようとする。 そこにあるのは現代に対する批判精神であり、前時代的表現に任せられた現代からの仕事であり、そこで表現される全てが反時代的考察なのである。 失われゆく実像だけが見せることのできるシンボル。現代のアーティストはそこに投資しているのではないか。 だが、はたして彼らの表現形式は、社会にとって賛同されるべき認知を得ることができるのか。 その認知のあり方を自ら歪め、そして

          現代アートの反時代的考察。

          考えるときの基本〜ミルフィーユ理論について〜

          ミルフィーユ理論とは? 「ミルフィーユ理論」は、名前の通り、層を重ねて問題を考えるアプローチのこと。 ミルフィーユのケーキを想像してください。 サクサクの生地とクリームが層になっているあのケーキのように、私たちの意見や考えも、いろんな層を重ねることで、より豊かなものになります。 定理1:いろんな意見を重ねる まずは、ひとつの問題について、さまざまな角度から考えてみます。 たとえば、年代が違う人、仕事が違う人、住んでいる場所が違う人など、それぞれがその問題をどう見

          考えるときの基本〜ミルフィーユ理論について〜

          麻薬に解ける数式〜鏡地獄の灯路〜。

          私たちは数式の美しさと、そこに潜む危険性をしばしば見逃してしまう。 数学は純粋な理論であり、現実世界から隔絶された抽象的な世界であると考える人もいる。 しかし、その数式が現実に投影されるとき、そこには深淵が待っている。 数式には魔力がある。 それは、混沌とした現実を整然とした秩序へと変換する力だ。 たとえば、微分方程式が現実の物理現象を予測し、確率論が未来の不確実性を制御する。 だが、この力は同時に、現実を麻薬のように解体し、虚無へと誘う。 ここで、ある単純な二

          麻薬に解ける数式〜鏡地獄の灯路〜。

          大正より現代まで。|社会脳の成立はいかに?

          江戸時代以降。明治維新と戦後の二つの時期の中で、それまで大衆化されていなかった"知識"という資産。 それは、主に大正教養主義と戦後知識人のコミュニティの中で共有されていた知識資産が、近代化の狼煙と共にトップダウンで分配され始めたことを意味している。 欧米では、ユルゲン・ハーバーマスの成果である『コーヒーハウス』のイスラム圏からの伝来及び、それが浸透し議論の場となる文化的土壌があったが故に、19世紀後半の高度な知的生産ーマルクスやニーチェ、ヴェーバーなどの人文社会系。もしく

          大正より現代まで。|社会脳の成立はいかに?

          実存主義に十返舎一九が反論したい!!

          ギロン、スタート!! ↓ ↓ サルトル: 人間は自由に生きる存在です。 しかし、その自由には必然的に「責任」が伴います。私たちは自分の選択に対する責任を逃れることができず、その重荷を背負いながら生きています。だからこそ、人間の存在は「実存」が「本質」に先立つと言えるのです。 私たちはまず「存在」し、その後に自分の本質を定義するのです。 十返舎一九: なるほど、あんたの言うことは重々しいねぇ。だが、私の書いた『東海道中膝栗毛』の弥次さん喜多さんのように、人生というのは気

          実存主義に十返舎一九が反論したい!!

          《依存》の形式と変化。

          人は何かに依存して生きている。 それは食べ物、飲み物、見る物、聞く物など。多岐にわたる。 単刀直入に、ここで提案したいのは、時代を経るにつれて、人間の依存の形式が"物理空間"から"情報空間"に移行してしまうということである。 活字印刷技術の基盤の上で、マルティン・ルターが福音を説いた16世紀の世から現代まで。 それ以前とそれ以降の世界では、人々の消費活動、会話形式、学問探究の様相までもが変質し、まさにニーチェが言ったように-運命が新たに書き換えられる瞬間であり、永遠に

          《依存》の形式と変化。

          〜倦怠のうちに死を夢む〜そこに秘める悪意を捉える。

          中原中也(1907〜1937)といえば、肌をもった虚無感と、それをリズミカルに文章化した詩人である。そう解釈されることが多い。 彼の詩には、ある種のペシミズムが強く根付いでいる。 以上の詩を見ても、それは解釈の域を出て、彼の心の内部を明瞭に表しているとさえ感じてしまう。 しかし、彼の表現にはある種の"悪意"があったのではないか? そうとも感じる。 それは《自分に向けられた》-実存-への悪意であるとともに、《自分に見られている》-世界-に対する悪意なのである。 これ

          〜倦怠のうちに死を夢む〜そこに秘める悪意を捉える。