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まさに『行動ファイナンス』【ラガルド発言とランダムウォークの急所】


トレーディングビューより


◉赤矢印以前:5月末〜6月頭→ラガルド発言
◉赤矢印以後:ECB会合→異次元緩和終了と利上げ発言


(最近のラガルドECB総裁発言とそれに対するユーロ市場の受け取りかたが面白かったので紹介します。)


まさに本質的にランダムウォーク理論とその抜け穴を体現したチャートになってます。


ランダムウォーク理論とは要するに酔ったオッサンの千鳥足のことで、金融市場では『マーケットにはすべてが織り込まれるので予測なんてできない』というトレーダー泣かせの一般理論のこと。


そして、今回のユーロ市場はその抜け穴、言ってしまえば『行動ファイナンス理論』の本質を体現しているということです。


ここまで言われてもわかりませんよね。


でも、この考え方こそ金融マーケットで必要であり、ほとんどの人が考えていない金融市場のファットテール(外れ値)になってくるのです。


本記事ではそれをわかりやすくお伝えしていきつつ、最近のユーロ市場の動きについての考察もシェアしていきたいと思います。


序: そのとき起こったファットテール


5月23日、ラガルド議長が自身のブログの中の『Monetary policy normalisation in the euro area(ユーロ圏の金融政策正常化)』にて金融緩和の終了を示唆したんですね。


上記のチャートの赤矢印以前のユーロ高傾向はこの発言によるマクロ経済の普遍的な動きによるもの(普遍的というのは多くの物事に当てはまるということです)。


市場が金利の上昇を織り込むんですから、将来のお金の価値が上がるとみんなが思うわけです。その結果、ユーロの価値が上がったということですね。


でも、ここはいわゆるお勉強で対処できるポイントなんです。要するに行動なんちゃらとかなんとかウォークとかを考えなくてもわかることだということです。


しかし、本当に考えてないと、本丸(今回のECB会合がいい例)なんかで取引する時に大損ぶっこきになってしまう。


ですから、次にECB会合を例として、金融マーケットの本質(ファットテール)に迫っていきたいと思います。

破: 待ちに待ったECB会合・・・、あれ?予想と違う。


『さぁ、今日はECBだ!! よし、利上げしなかった!! ブログと言ってることも変わらない!! だからユーロ買いだー』とかいって突っ込んでいくと血を流すことになる。


このことがよくわかるいい例だったんですよ。


本質的に市場はブログの影響で利上げを織り込んでいたわけです。だからユーロは上がったんですよね。


つまり、ECB会合になった時には市場が利上げ予測をすべて吸収してしまっていて、予測されていた以上(ここでいうラガルドブログ以上)の利上げ観測が会合で出ないとユーロはさらなる上昇を織り込まないということです。


金融市場は実際経済の1歩先を行ってるとはよく言いますが、あれはこういうことなんです。


『ブログで利上げ予想が出たということは、会合ではもっと強い利上げ観測がでるな。』という具合で金融市場の連中はこういう風に考えるわけです。


ですから、そこで僕らの出番だということです。


結果として、会合ではブログと同じようなことが追認されただけだったと。


つまり、別に今までの利上げ観測を崩してはないのだけれども、見えない人間心理の結果、ユーロは会合の後で切り下げに入ったということなんです。


そしてこんな風に、人間心理の変化を利用してカネを儲けてやろうという考え方が『行動ファイナンス理論』になってくるわけですね(もちろん、これは投資家視点での行動ファイナンスの見方ですよ。実際はちゃんとした学問ですからね)。


ですから、今回のユーロ市場の一件に関しては2回のチャンスがあったということになります。


1回目はラガルドさんのブログ内での発言を利用したユーロ買い、2回目は行動ファイナンスを利用したユーロ売り。


最初は分かりにくいですが、慣れるとそんな難しいものでもありません。


他の経済指標でもこの考え方が通用してきます(経済指標の予想データは必要です)。失業率でもいいし、インフレ率や経済成長率でもいいんです。


練習して、金融市場的なマクロ経済の見方をしていきましょう。


急: 行動ファイナンスでランダムウォークに挑め!!


ランダムウォークといえばオッサンの千鳥足だといいましたが、金融市場のチャートって本当にそうなってるんですよ。


短期では全く予測不能。テクニカルやファンダメンタルすらも意味を成さず、無限に増幅した人間の欲望だけで構成される値動き。


いとおそろしな理論ですが、合理的に考えるとこうなってるんです。


ですから我々はこの理論に対抗していかなければならない。そこで処方箋として与えられる強い味方が行動ファイナンスになってくる。


人間の欲望だけで構成されているからこそ、現在の実体経済の1歩先をあたかも確実の事実のように織り込んでくるわけです。


だから、我々はその大嘘を見破ってカネを稼いでいかなければならない。


まさに投機家心理とは、ランダムウォーク理論へ絶えず挑戦し続ける信念になってくるのです。


合理論だけでなく、経験論も大事なんだということがわかっていただけたら幸いです。


もっと学びたいならこの2冊!! (アフィリエイトちゃうで)


今回はユーロ市場を事実として、行動ファイナンスを理論とした内容をやってきたわけですが、もっと学びたいなら『ファイナンス理論全史』とか『図解でわかる行動ファイナンス&ランダムウォーク理論のすべて』の2冊をオススメします(お金使いたくなかったら図書館とかで借りてください。僕も初めて読んだときは借りて読みました)。


今回の記事はちっさい上澄を掬ったようなものなんですけど、実際の世界はもっと広いですから、もっと勉強したければ上記の2冊を読んで勉強してみてください。


では、今回の記事はここまでです。
ありがとうございました。


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