これから上がる株の条件を考える。
難しい経済の中、"上がる株"を考えたい。これが本記事のコンセプトです。というよりも"投資をする甲斐がある株"と言った方がいいでしょうか。
まあ、とりあえず前置きは飛ばして"上がる株の条件"をみていきましょう。
1.実質金利が高い
まず、株価が下がる要因は『金融引き締め』である、ということは抑えておきましょう。
なぜこれが株価を下げるのかというと、市場に流れていたお金を少なくする=株式市場に流れるお金も少なくなるだからです。
みんなのお金で株を買っているのですから、お金が減るということは株を売るということになる。すると株価が下がってくると。
じゃあ、逆に言えば金融引き締めをしにくい、もしくはする必要のない国の株価であれば、金融引き締めをしている国に元々流れていた資金がその国に流れるので株価は上がりやすくなる。
そして金融引き締めをする理由は"物価を下げるために金利を上げること"でしたから、もともと実質金利(名目金利から物価を除いた本当の金利)が高ければ金融引き締めをさほどする必要はありません。
つまり、諸外国のお金がその国に流れやすくなるということになるんです。
2.GDPが小さく、GDP成長率が高い
GDPが小さいということは逆に言えば"まだまだ成長する余地がある"ということを意味しますし、GDP成長率が高いということは"その経済に力がある"ということを意味しますから、これを合わせると"力ある経済が割安"だと表現できます。
先進諸国の経済成長がコロナ明けで危惧されていて、尚且つ金融引き締めをしている中ではやはり先進諸国の"図体大きく、安定成長"よりも新興国の"図体小さく、高成長"のほうに資金流出が起こるのだと考えられますし、なにせそういう"図体小さく、高成長"の国ほど株価がそこまで上がっておらず、社会インフラが整っていないという事実があります。
ですから尚更、海外からの資金流出が起こり始めて、社会インフラの整備に投資が向けられた際にはより高い成長率を叩き出す可能性がありますからね。(人的資本の蓄積及び資本蓄積)
3.人口ボーナス
"人口ボーナスが現在進行形で起こっていて、それが長期的に続くことが予想されている"ということもまた重要なファクターだと言えるでしょう。
というのも、先に書いた"図体小さく、高成長"な国では、発展途上ということでまだその経済圏に多くのビジネスが入ってきていないという実際があるんですね。
ビジネスが行われていないとお金の貸出が起こりにくくなりますから、必然的に金利が高くなってしまうんです。
するとお金を投資するよりも、労働力の消費によって利益を上げる方がいいということになります。(金利が高いと物価が、ひいては労働力商品の価値が小さくなります)
このモデルの経済を"外縁的成長の経済"とか言ったりするんですけどまあそれは置いといて、とりあえず労働者数の人口増加率以上の上昇こそがその国の利益の源泉となることはわかっていただけたと思います。
つまり、人口ボーナスが起こっていて、尚且つその予想される期間が長い国は非常に強いと言えるのです。
4.マネーサプライが小さい
要するに1国のお金の量ですが、これがマジで大事です。
大事というのは、このマネーサプライが小さいことがポイントなんです。
マネーサプライが小さいということはこれから経済が成長し出してビジネスがたくさんできてきた場合、借入が増えてよりいっそうのマネーサプライの上昇を期待できるということ。
そして、そのマネーサプライの上昇こそが株買の源泉になる、ということは先進国のコロナ禍での金融緩和政策による株価の上昇からわかることであり、歴史的に必然と言えることでもあるのです。
マネーサプライの流通こそ、もっとも株式市場を押し上がる原因である、ということは押さえておいて損はないでしょう。
具体例:自由で開かれたインド太平洋と東南アジア
1.実質金利が高い
2.GDPが小さく、GDP成長率が高い
3.人口ボーナス
4.マネーサプライが小さい
この4つの条件を揃えた経済に付随する株価こそこれから伸びる株である、ということを考えてきたわけですが、この条件に当てはまる地域が1つあります。つまり、インドから東南アジア地域です。
特にその中でも"フィリピン、インドネシア、インド、バングラデシュ"は上記の条件すべてをそろえた国になっています。
積極的に進めはしませんが、間違いなく投資のやり甲斐がある国々だと思いますよ。
ということで今回はここまで。
ありがとうございました。