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テクノロジーが思想になる

和歌山県海南市で1ヶ月間、2度目のみかん取りに参加した。
そこでは色んな人と出会い、たくさんの話をした。

ここには日頃から考えすぎて病む人が多く集まるため、考えるのが面倒で好きではない自分にとっては、知らない世界を知れるようでとても刺激になる。

この1ヶ月で話した内容の一部とついでに最近思ったことを書いておく。


会社勤務に向いている人、向いていない人

自分は会社で働きたくないと思っている。組織に属して働くと色々と制約があり、自分の性格的に嫌になりそうな予感がするからだ。ただ一旦会社に属して、数年社会経験を積んでからのんびり暮らすのも悪くないと思うので、のんびり就活をしている。

そんな考えもあり、農業に関心を持ちみかん援農に参加したわけだが、この援農に参加するひとたちも似たような考えを持っているひとが多い。

ヒッピーやバックパッカーみたいに定住せずに色々なところを移動しながら暮らしている人たちもいれば、最近まで会社で仕事をしていたが、しんどくなってやめて繋ぎとして参加している人たちもいた。

同じ畑でよく話していた2人は、自分の1歳上と2歳上の方だったが、二人とも新卒で入った会社が合わず、精神的に病んでしまい、つい最近退職したということだった。

そんな人たちに囲まれて、ちょうど就活の最中の自分だが、少し会社で働くのが怖くなってしまった。

自分は援農に来ている人たちと考えが似ていると感じていたため、会社に入ったら同じように病んでしまうのではないかと話を聞きながら不安になっていた。

こんな話をお世話になっている農家さんにしたら農家さんは、サラリーマンなんてコスパ悪いよね。やっぱ第一次産業の自営業が一番!と言っていた。

その農家さんは、地域の中でもそこそこ大きい畑を持っていて、ちゃんと儲かっている方なので説得力がある。

話を聞くと、みかんの場合は忙しいのは収穫の時期の10月から2月ごろまでで、特に夏は比較的のんびりできるらしい。そして何より一番いいことは、会社と違ってストレスがないことと言っていた。

ある程度自分のペースででき、収穫の時期は援農で来た若者や地元のおじちゃんおばちゃんたちと楽しく収穫できる。こんなにいい仕事はほかにないだろ!とのこと。

もちろんその人のやり方がうまかったり、相手は自然なので運要素のところもあるので、全員が全員うまくいくとは限らないが、自分にはとても魅力的な仕事に見えた。

正直、会社勤めを定年まで続けられる自信がなく、ある程度落ち着いてお金が貯まったらやりたいことをしたいと考えている。

現時点でやりたいことは、田舎の古民家に住み、小規模の農業をしながら喫茶店を経営すること。

ただ結局働いてみないと何も分からないので、とりあえず就活をがんばるぞ。


自分語りおじさん講座

自分の話をするのが苦手だ。

趣味の話、性格の話、周りの人の話、主義主張などとにかく自分に関係することを人に話すのが苦手。

話すこと自体は好きだけど、相手が興味を持つ内容かどうかが分からないと話す気になれない。

オチはちゃんとあるのか、聞きやすい話の構成なのか、こちらが伝えたいことがちゃんと伝わっているのかなど相手の顔色を伺いながら話すため、とても疲れるし、話し終わっても反応が薄いと相手に申し訳なくなってしまう。そして自分は話すのが下手なんだと嫌悪感が押し寄せる。

そんな風に生きてきたからか、いつの間にか人の話を聞くことは上手になった。

適切なタイミングで相づちを打ったり、いいリアクションをしたり、質問をして自分はあなたの話をちゃんと聞いて、興味があるアピールをしまくる。

ただ聞いてるアピールに注力しすぎて、内容が頭に入ってこなかったり、こっちに話題を振られたときに深い意見が出せなかったりする。

相手がおしゃべりな人なら聞いてるだけでもごまかせるが、相手も聞き手に回る人の場合、必死になって言葉を探す。

みかん援農のとき同じ畑で働いてた人がとんでもなくおしゃべりだった。

多分今まで出会った人のなかでダントツのおしゃべり。

その人と一ヶ月間ほぼ毎日一緒にいたが、ある意味気が楽だった。

相づちをして、たまに自分の思ったことを話しているだけでいいし、その人の話す内容は自分の興味分野とも被っていて面白く、すごく頭のいい人だったので論理的で聞きやすかった。

ただそれで自分が満足しているとはあまり思えていなかった。

やっぱり話すことも好きで、本当は自分のことをたくさん話したい。

実家にいるときはよく送迎中に母親に色んなことを話していた。

好きな曲、好きなゲーム、面白いアニメ、かっこいい車、学校での出来事などひたすら話していた気がする。

それこそ母親相手なので顔色を伺わずになりふり構わず喋っていた。

最近パートナーにもっと自分の好きなものについて話して欲しいといわれ、恐る恐る好きな曲のことを話してみた。

話したとき、なんだか抑え込んでいたものが弾けて、すごく軽くなった気がした。

オチとか構成とかそんなのを気にせず、思い付いた言葉をただ吐き出す。

それだけなのに自分の中で革命が起きたのかというレベルで心が踊った。

人に合わせることばかりが多く、自分の主張をなるべくしないようにしてきた。

でも自分はもっと自分勝手な人間だった気がする。

ある意味大人になっているのかもしれない。

でもそれじゃあなんかつまらない。

もっと自由に、好きに生きたい。

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