田舎暮らし~下見編~
いそいそ夏休み
夏休みが終盤に差し掛かるなか、今年の夏休みはあんまり夏休み感がなかったなぁと、なんだかもったいない気分。
それは夏休み明けに控えた特大イベントたちのおかげ。
半年ほど前から計画していた放浪編がいよいよ始まった。まずは和歌山県山奥旅館修行。
地に足着かず
高2の沖縄修学旅行以来人生2回目の飛行機、そして1人で乗るはじめて飛行機。
1か月前に最愛のパートナーと涙の別れをし、その直後外国人を案内しようとするも一緒に迷った羽田空港へ再来。
飛行機に乗るときは出発時間の1時間前には着くようにというネットの情報を過信せず、2時間前に到着。
チェックインとか荷物検査に時間がかかると思いきや、案内をしていたお姉さんに聞いたら、5分で手続き完了。
あまりのスムーズさに物足りなさを感じつつ、出発口付近で待機。
電話をしながら普段見れない飛行機の離着陸シーンをみて、童心を取り戻す。
やっぱあんなにでかいのが空飛んでるのは何歳になってもロマンを感じてワクワクしちゃう。
人間味は五味に入るのか
無事和歌山の空港に着く。
ロビーで待っている旅館の社長を探すのに必死すぎて、預けた荷物を受けとらずに出てしまい、スタッフの人に取ってもらうといういきなりの失敗。
まあ人間味があっていいかという言い訳を自分に言い聞かせ、社長と山道ドライブ。
たしかに山道なんだけど、長野と違いほぼ標高が変わらない平坦な山道。
つい先日美ヶ原高原のほぼ直角傾斜を経験したところだったので、心のなかで「これは本当に山なのか…?」という長野県民あるあるの標高マウントをかます。
旅館に着き従業員さんに自己紹介をすると、今まで初対面の人に何万回聞かれたか分からないお決まりの質問シリーズ「名前の漢字どうやって書くの?」と「体格いいけど、なんかスポーツやってた?」を見事全員に聞かれ、スタンプラリーコンプリート。
この質問たち必ず聞かれるから回答はテンプレ化してるけど、いざ聞かれると「よくぞ聞いてくれた!」ってちょっと嬉しくなる。
名前と肩幅のインパクト大きくてちょびっと感謝。
ポリエステルの和服は“和”なの?
到着の次の日からいきなり勤務。
甚平みたいな制服を着て、意外と自分、和服似合うなと鏡をみながら自画自賛し、研修を受ける。
2日間は研修で、ベテラン仲居さんの後ろについて見学。
3日目は午後からの勤務までの間、軽トラを借りて片道20分ほどの買い物ドライブ。
田舎の景色を堪能しつつ、道を間違えつつ、無事美味しそうなクリームパンと印刷の粗い初心者マークをゲット。
そしてついに3日目の夜、一人立ちの時。
出勤してから料理提供まで時間があったので部屋で暇潰しをしていると、いきなり電気が消えた。
なんと旅館の電気設備が壊れたらしく、復旧まで数時間かかるとのこと。
時刻は18:30でちょうど晩御飯がスタートする時間に停電、しかも一人立ち初日という奇跡。
暗闇のなか半分パニックでフランス人カップルに料理を提供する。
とんでもない量のミスをしたけれど、超優しいフランス人カップルのおかげでなんとか終了。
フランスに行ったら自分も研修中のフランス人に優しくしようと決意。
アンパンマン求ム
あまりにも色々ありすぎる始まりで、既に限界疲弊。メンタルも体もボロボロになり早く帰りたいと泣きそうになる。
でもアニメをみて、お菓子と料理長から餌付けされた鯖の塩焼きを食べ、温泉に入れば意外と元気になっちゃう自分の単純さに感動。
最愛のどこかのだれかも言っていた、不安になるのは弱音を吐ける人が近くにいないということが原因なのかもしれない。
従業員の方たちからすれば日常なのに、自分のなかでは非日常。その差が埋まらないからどこか無意識に距離を取ってしまう。
つくづく自分は人見知りで、変化が極端に苦手なんだなあと痛感。
いままで環境が変わったときも同じようになっていた。
直前まではなんとかなるだろーと能天気なのに、いざ始まってみると、人との距離感の探り合いや先々の不安で、叫びながら全てを放り出したくなる。
慣れるまでの辛抱、そして慣れたら楽しむ余裕が出てくるはずと信じ、自分へのご褒美に旅館の向かいのお店でいつソフトクリームを買おうか企む。
まとまった休みの日に軽トラでちょっと遠出をしようかな。なかなか実行に移されない気がするけど。
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