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忘れたくない人がいる町
私はこの町で大人になった
思い返せば、まだ社会のことも大人の事情も分かっておらず、一応少しの不安を抱えていたものの、ただただひとり暮らしが楽しみでこの町を訪れた。
そして今回、16年ぶりにこの町から旅立つわけだが、引越し当日はまさかの大雪。基本的に昔から天気には恵まれないため、これも私の中では想定内というか、計画どおりなのだ。早速、私らしい旅立ちとなった。
仕事をしていると、何くそ〜と思うこともたくさんあったけれど、自分の居場所でもあった職場、姉妹のような同僚、父のような上司たち。そんな人たちと離れるのはとても寂しいし、忘れたくない。
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思い出したい場所が増えた
寂しいけれど、そう思える場所や人たちがいることは、本当に幸せなことで、尊いことだ。
地元を離れ、近くに身寄りがいない環境で過ごした16年、本当に色々あった。歯を食いしばって出勤した日や泣きながらご飯を食べた日もあったけれど、やはりわたしは彼らに支えられてきた。
悩みといえば人間関係がほとんどだったが、でも、助けたり助けられたりするのもいつも人が相手だった。不思議なもので、喉元過ぎれば熱さを忘れる…というのは本当で、記憶の表に残っているのはゲラゲラと笑った明るいことばかりだ。家族のような人たち、故郷のような場所。またいつか訪れたい。
そう思える場所が一つ増えた、これは人生の宝だ。
懐かしい味
母や祖母の手料理以外に、懐かしい味というものがある。長年通い詰めた路地裏の定食屋さん。相席が当たり前で、手のひらよりも大きなハンバーグを焼いてくれる油が飛んでくるくらいこじんまりとしたお店だ。コロナ禍、心配で訪れてみたらちゃんとテイクアウトを始めていて、ひとり暮らしとは思えない量を買って帰ったのもよき思い出。(ちゃんと完食。笑)
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懐かしい味といえば、嬉しいときも辛いときも通った昔ながらの喫茶店もある。最後にご挨拶に訪れたら、いつもの席が空いていて、それだけで胸がいっぱいになった。普段は黄色い花柄のマグカップだったけれど、この日はなんとArabiaのパラティッシ。送別かな、可愛いな。
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別の日、もう一件食べ納めしておきたい喫茶店を訪れてみたら、なんと店主はお休みで、まさかの「はじめまして」の店員さん。相変わらず混み合っていて、カウンター席のセンターで楽しませてもらった☕️店主に会えないというのも、実にわたしらしい終わりだった。
「予定どおりにいかない予定」を立てておく
わたしは、なぜかしっかり者の真面目キャラと思われがちなのだが、実はどこか抜けているタイプなのだ。キチンとしてそうなんだけれども、惜しいのだ。いわゆる天然とか、そんな可愛いものではないため、結構自分にイラつくことがある(笑)これは長く付き合っているとバレるらしく、友人や同僚、さらには後輩にも隠せていない…
そのため何かがズレていたり、不足していたらまず自分を疑うようにしていて、初めから予定どおりに進まないのがわたしの人生だと思っている。例えば待ち合わせに相手が遅れてこようならば、自分が時間を間違えて送ったのではないかと心配になりLINEを見返す。...など。
こういうのは自分ならやりかねないチョンボなのだ。
これまで色んな人に迷惑をかけてきたが、その被害を誰よりもびたびたに被ってきため、最近は予定どおりにいかない予定を立てておくようになった。ミスの経験値だけは群を抜いている。だから、こんな人生も割とラクにこなせるている…と思っているのは自分だけかもしれないが、まあ良しとして。
大雪のせいで引越し屋さんは遅れるし、そのため色んなことがズレ込んで、電話が鳴りっぱなし。お陰でしんみりする気持ちが緩和されホッとしているのも事実。気づけば隣町を走っていて、いくつもの街をまたがり、あっという間に新居へ到着していた。
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人生は面白い。きっと新しい地でもドリフのようなハプニングがあるのだろうけど、それも予定に入れておこうと思う。
16年もの月日を振り返ると、もっと他にもあっただろう...と思うくらい仕事のことか、食べものことしか思い出せない。わたしは根っからの仕事人間で食いしんぼうである...🤤
これまでどおり、これからも私らしく生きていこう!
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