【連載6】結婚したくてしょーがない20代女から、大恋愛を経て、結婚なんてどーでもいい30代女になったはなし
そのまま朝までLINEをして、この街に戻ってきたから、また会いましょう、ということになった。恋人との関係は曖昧なままだったけど、ひとまず新しい彼とは関係を持たないことを自分に誓って、会うことにした。
彼と私の家の間にある駅で、待ち合わせをした。ご飯を食べて、ちょっとお酒を飲んだ。家まで送ってくれた。家の前で話をしていたら、昼は晴れていたのに、雨が降りだした。大雨だった。とりあえず、屋根を求めてうちのマンションまできた。非常階段で抱きしめられて、キスをした。
体がぴったりと離れなくて、キスもクラクラするくらいよくて、体はめちゃめちゃ反応していた。彼は私を抱きしめながら、「これ、この感覚。すごく落ち着く。」と言った。私も同じだった。この人とくっついていることが自然だった。懐かしいし、しっくりするし、自然。前から知ってるようなこの感覚。そして、胸がきゅーんと、痛かった。頭では駄目だと思っても、体がぴったりくっついて、離れなかった。
でも、この日は体の関係を持たないと決めていたし、恋人をまた裏切りたくないし、なんだかこの人を心底信用できないなと思うところがあって、家に上げることだけはしなかった。乗り換えるというのもピンとこなかった。この人といても結婚は無理だろうなという気がしていた。壁に追いやられてキスの嵐を受け、クラクラしたけれど、意地でその日は最後まで家には上げなかった。
この頃の私はブラック企業で消耗していて記憶も朦朧としていて、やっていることホントに意味わかんないんだけど、その数日後また会って、何もしないという約束で家に上げて、約束通りやらずに帰して、また後日家を訪れて、抱きしめられたり、上半身をいつの間にか脱がされて体にキスされたりしてるうちに、あまりの気持ちよさと、体は嘘をつけないことを悟って、「しよう」と伝えて、あの日以来初めて、最後までした。もうどうなってもいいや、と思った。堕ちたな、とも思った。
この頃、キス一つでも頭がクラクラして、彼が帰った後の服のにおいやシーツのにおいでも欲情するくらい反応してた。どうしても抗えなかった。頭ではだめだと思っているのに、心も抵抗しているのに、体は彼と寝たいと言っていた。身持ちは固いつもりだったけれど、頭と心と体はバラバラなんだなと、身を持って知った。
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