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詩【風の背びれ】
地球には「風」というものがあるらしい。
それを感じるには「肌」が必要だと神様に聞いて、
私は人間になって「風」を浴びるために
この世に生まれることを魂に決めた。
そんなことは忘れ去られて。
忙しく回転する地球と、
重力という圧にその肉体で肌で感じながら、
答えの弾き出せない生きる意味を追い続けた。
追うと風は逃げた。
止まると風は頬にメッセージを当てた。
貴方が感じる風には全て意味が彫ってある。
貴方の頬はそれを解読している。
風に刻まれた文字を伝えていくのが貴方の使命だと、唸るような温かい声で頬に当ててくる。
今はまだ風の背びれしか視えないけれど。
透明で美しく逞しく、そこに居るのを感じる。