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【屋久島旅行記②】縄文杉トレッキング、10時間かけて太古の植物に会いに行く

2023年9月の屋久島旅行記、前回は島上陸から島グルメ、千尋の滝観光、そして宿泊したコテージについて紹介した。今回はこの度のメイン、縄文杉トレッキングの様子をダイジェストでまとめる。

▼前回の記事はこちら

早朝、荒川登山口から縄文杉を目指す

時刻は午前3時。まだ暗いうちから目を覚まし、朝ごはんをねじ込む。朝ごはんは、前日お弁当屋さんに追加で頼んでおいたおにぎりと、インスタント味噌汁。長丁場になることが予想される1日なので、しっかりめに食べておく。

コテージから車を走らせること10分ほど、午前4時過ぎに屋久杉自然館到着。バス停の待合所が煌々と光っている。少しずつ人が集まり始めたといったところで、我々は前から3番目くらいに並ぶことができた。

登山バスのチケットを係の人に渡し、列に荷物を置いておけば近くで時間を潰すことができる。トイレもあるし、ベンチもあるので、このタイミングで朝ごはんを食べる人もチラホラ。我々はツアーの団体客がぞろぞろ集まりだす様子をぼーっと眺めていた。

定刻になり、バスが出発する。始発に乗ったが、この日は満席。4時半くらいで受付が終了していた。

バスはかなり揺れる。ぐねぐねと曲がりくねった山道を往く。朝早かったこともあり少しウトウトとする。

30分ほどで荒川登山口に到着。ツアーによっては、この登山口に直接マイクロバスで乗り付けることもできるようだった。我々の乗った始発よりも早く到着している人が何人かいた。

荒川登山口にはきれいなトイレ、着替えスペースもあるため、登山前の準備に最適。我々もトイレや準備体操を済まし、いよいよ出発。この時点で5時30分を過ぎていたが、まだ辺りは真っ暗。登山口から森に入っていくとその暗さは一層濃いものになる。足元も殆ど見えないため、ヘッドライトを装備して森へ。

朝焼け、白んでいく森が素晴らしい

縄文杉トレッキングの大半は山道ではなく、平坦なトロッコ道が占めている。トロッコ道が7割、残り3割が山道、といった感じだ。そのため、最初はひたすら平坦なトロッコ道を歩き続けることになる。

道中、いくつも河を渡る。トロッコが通れるように整備された橋を幾分ヒヤヒヤしながら歩いてく。下を覗くとあまり見たことがない大きさの岩がたくさん転がっている。もののけ姫のワンシーンに登場しそうな趣がある。

歩を進めていくと、少しずつ日が昇ってきた。山の向こう側から朝陽が差してくる。山、森、岩、河、順番に陽が当たっていく様子が美しい。割とこのトレッキングを通してベストに入るレベルできれいな風景だった。本当に遠くまできたなあと思った。

本格的な森に入っていく直前に屋久猿に出会う。写真に収め損ねたが、襲ってくることもなく、大人しかった。

徐々に周りの景色が、屋久杉に囲まれていく。幹が太く、苔むした風景が続く。

最初は「おおー!大きい!」と感動していたが、先程述べたように、トロッコ道は延々と続く。次第に「マジで木しかない…」と飽きてきてしまった。

本格的な登山道に入る。いわゆる山道もあるが、ほとんどは木製の階段状になっており、登りやすい。反面、すれ違いが難しい狭さなので、後ろの人との間隔には注意したい。

大王杉という大きめの杉の前で記念写真を撮った。そこに居合わせた外国の女性の方が、手振りで我々の写真を撮ってくれると伝えてきた。一人で、異国の地で、離島で、しかも便利なものもない山の中で出会った人とコミュニケーションを取ろうとする姿勢が素晴らしい…尊敬だ。途中まで近くに居たその方は、縄文杉付近でどこかに消えてしまった。ちなみに、撮ってもらった写真はめちゃくちゃ上手だった。

縄文杉に到着、自分の足で来てよかった

縄文杉に到着。時刻は午前10時過ぎ。予定より早めに着けて嬉しい誤算。縄文杉は道中見てきた杉よりも格段に大きく、太古より生き続けているという説得力があった。が、そんなに近くまでは立ち入れない&写真では大きさが伝わりにくいということもあり、10分ほどで退散。

それでも、この縄文杉のスケールのデカさは一見の価値がある。むしろ、写真では伝わりにくいからこそ、自分の目で見ることに意味があると思う。縄文杉には当たり前だが、公共交通機関で来ることはできない。自分の足で来るしかないのだ。もちろん、年齢を重ねるほど訪れるハードルは上がっていくだろう。と考えると、今このタイミングで訪れることができたのは本当に幸福なことだった。自分の足で来れてよかった。

縄文杉の周りには展望台的なウッドデッキがいくつかあるが、ここでの食事はNG。少し登山道を戻ったところにあるウッドデッキで昼食にする。

昼食は、弁当屋に注文しておいた竹の皮弁当。おにぎり3つは多いかと思ったけど、これまで歩き通しだったから全然余裕で完食。欲を言えば水分が欲しくなってしまうメニューだった。しっかり食べて、復路に臨む。当たり前だが、登山は登頂してやっと全行程の半分。これから今まで歩いた分、全てをもう一度歩く必要があるのだ。頑張ろう。

荒川登山口への復路、ウイルソン株でハートに出会う

トレッキングコースの途中、ウィルソン株というスポットがある。往路のときは人だかりができていたのでスルーしたが、復路ではガラガラになっていた。せっかくなのでちょっと寄ってみた。ウィルソン株は平たくいうと大きな切り株のこと。ただ切り株と言ってもとんでもなく大きいので、中に人が何人も入れるサイズ感である。で、中から上を見上げると場所によってはハートの形に見えたり見えなかったりする。ただそれだけでした。はい。

無事下山、明るくても美しい

登山口が近くなる。途中でヤクザルやヤクシカを見かける。ここの動物たちは大人しく、目が合っても襲ってくるようなことはない。

早朝来た道を再び通る。朝は暗かったからよく見えなかったが、明るくなり、下や遠くがよく見渡せる。トロッコ橋が意外なほど高かった。それでも、屋久島の自然は美しい。水や生命の循環を感じる。

帰りは行きと同じように登山バスで戻る。くたくたになっていたので、爆睡して帰った。街に戻ってからは、温泉に入り、焼肉を食べて宿に戻りました。

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