雨の日も美しい
私の住んでいる地方は花の季節が短いので
少しくらいの雨の日は庭に出て
花を楽しむようにしています
濃い緑の香りが満ちた そぼ降る雨の
その中を歩きながら 草花や木樹を眺めると
ほんのひととき私も 詩人になった気分です
今年の春は気温の低い日が多く 勿忘草も長い間咲いていました
雨の日の庭 朝 デイリリー
その葉の上 見えない糸でつながった雨粒たちは
一粒 一粒の透明な世界にまわりの景色を映し出し
一粒 一粒に違う色を描きながらコロンと落ちて
無限の宇宙に消えていきます
雨が上がり アルケミラ・モリスの大きな葉は雨粒をあつめ
夕方 ちいさな庭は
銀灰色の紗のベールにおおわれて
ひととき コローの風景画のような
フォンテーヌブローの夢を紡いでくれます
葉も茎も白い綿毛に包まれ
葉の形が羊の耳のようなラムズイヤー
触るとふっくら柔らかい手触りも羊の耳のようです
紫色の小さな花が密やかに咲いています
雨は庭の様子を変えます
例えば
ラムズイヤーはその白い綿毛に雨水を吸い込んでしまうので
雨が降り続くと 水分の重さに耐えられなくなり 倒れてしまいます
ラムズイヤーも雨の重みで倒れかかり列が乱れてしまいました
後方に見えるひとかたまりはまだ真っ直ぐです
私はバラの周りのラムズイヤーは その花が終わると
地面から８cmくらいに短く刈り込みます
すぐに シルバーグレーの葉だけが一面に広がり
別の植物のような姿になります
この写真を撮った頃は
通路の幅を広くしていました
真夏 突然の激しい雨に打たれても
短く刈ったラムズイヤーは倒れることはありません
通路に倒れて邪魔になることもなく
見た目もスッキリときれいになります
雨の日も美しい庭にするための
ちょっとした工夫です
花に思いを寄せて 詩を読み解きながら
今年も雨の日を過ごしていきたいと思います