こうして私はバツイチに…⑧「転機と引き延ばし」

はじめに

どうもふくすけ（@namiuchigiwade）です。

今回は「こうして私はバツイチに…」シリーズのパート8になる。

→前回はこちら

→本シリーズの目次（表紙）はこちら

この話しは妻の『不倫』をきっかけに離婚した私の実体験である。

もう少し続くのだが、

ここまで怒涛の勢いで進んだので、

時系列にまとめようと思う。

2008年

1月…妻の両親に結婚を申し込む

4月…結婚式の準備に取り掛かる。式は2009年2月になる

5月…お義母さんに転職をすすめられ、転職を決意する

6月…航空会社の子会社に就職決まる

7月…2009年4月から成田空港にヘルプへ行くのが決まる

8月…新しい職場に入社する

2009年

2月…結婚式を挙げる

4月…私だけ千葉へ

5月…父親が急死する

8月…妻が千葉に来る

11月…妻が就職する

2010年

1月…介護福祉士の試験を受ける

4月…千葉で転職を決意する

7月…特別養護老人ホームに就職が決まる

9月…新しい職場に入社する

…。

いろいろあったなぁ…。

だがここから少し月日が流れる。

私の仕事が落ち着き、

妻とようやく穏やかな生活を送るようになった。

しかし、

2人が子供に恵まれることはなかった。

妻も次第に諦め始め、

そこから私も妻もそれぞれの職場で責任者になり、

忙しい生活が続き、

少しずつ会話も減っていった…。

私は妻のことが好きではあるが、

妻は私のことをどう思ってるのだろう？

と考えることもあった。

では続きをどうぞ。

お義母さんからの驚きの提案②

2015年1月ー。

私と妻は1、2日と休みを取って妻の実家で過ごしていた。

千葉にいてもなるべく毎年正月はお互いの実家に帰っていた。

妻の家族と元日の駅伝を見ていると、

お義母さんがおもむろに口を開く、

「あんたら千葉行って長いなぁ。

子供はどう？

子育てとか考えたらそろそろ大阪に帰ってきてもええんちゃうの？」

お義母さんにまた転職をすすめられてしまった。

「うーん。どうしよう…」

私としては6年前に父親が死に、

4年前に弟が彼女と同棲を始めてからずっと1人暮らしをしていた母親が気になってきていた。

「たしかにそろそろ帰るのもありか…」

なんて思っていた。

すると妻も、

「そうねぇ、

私も言うても31歳やし、

子供産むんやったら大阪帰ろうかな」

妻と久しぶりに意見があった気がした。

「よし！

ほなまぁお互いすぐに仕事辞めるの難しいやろから、

今年中に大阪帰るのも目標にがんばりや」

お義母さんに言われ、

私たちは2015年中にまた仕事を辞めて今度こそ大阪に帰る約束をした。

今の職場で仕事を始めて5年、

責任者を任され忙しくもそれなりに充実した日々を送っていた。

「また、

辞めなあかんのか」

思えば転職の繰り返しの人生になってしまった。

転職して給与が上がっているから良いものの落ち着きがないように思えた。

そんなことを考えていると、

「最初からふくすけさんが大阪で介護辞めんかったらよかったなぁ」

お義母さんに平気でこんなことを言われた。

「おまえが転職しろって言ってきたんやろが…」

と心で嘆いていた。

→その時の様子がこちら

…怒りとやるせなさが同時にこみ上がる。

このことで皆様に言いたいのは、

家族や友達によく人生相談や恋愛相談をする人。

全部とは言わないが、

他人が言うことは無責任で、

その時のノリなどで言う時がある。

どうか100%鵜呑みにはせず、

あくまで一意見として参考程度に聞く方が良いと思う。

その人の言う通りにやってもその人が責任をとってくれるわけではないし、

他人に言われた通りにしようと最終的に判断するのは結局自分自身である。

悪い方にいっても

自分自身で尻拭いしなくてはいけないし、

責任も取らなくてはいけない。

私は35歳にもなってそれを痛感してしまった。

遅すぎる…。

そもそもの話しになるが、

もともと私には信念がなかった。

「おれは給与が安くても介護一本でやっていく！

おまえらは黙っておれについてこい！」

という覚悟がなかった。

だからその時のお義母さんの無責任な一言を真に受けてしまい、

自信がない私は簡単に安易に転職へと気持ちを傾けてしまった。

そこは本当に反省である。

世の中臨機応変に対応することも大切だが、

まずは一つ信念を持たなければなかった…。

…時を戻そう。

帰りの新幹線で妻に、

「どう？

今年中に辞めれそうなん？」

と聞いてみると、

「わからん。

あんまり辞めたくはないけど、

とりあえず言ってみる」

と返答された。

私が辞めれても妻が辞めれなかったらまた大阪に帰るタイミングを失ってしまう。

それだけは避けたかった。

この時2015年1月。

離婚まであと1年と5ヶ月…。

妻に初めて怒られる

2015年4月。

私は施設長に大阪に帰るという事情で退職の意を伝えた。

「ふくすけさんすごくがんばってくれてたのに、

大阪帰っちゃうのかぁ。

ショックだけど家庭の事情とかなら仕方ないね。

いつまで続けられそう？

奥さんの退職に合わせてもいいから」

…なんていい上司だ。

本当に申し訳ない気持ちになった。

「本当に勝手ですみません！」

何度も謝った。

この職場も良いところだった。

5年ほどではあったが楽しくやりがいをもって働けた。

あとは妻の時期に合わせての退職だ。

その夜妻に経緯を伝えると、

「私は言ったけど、

すごい止められてる。

まぁ今年中に辞めれると思うけど」

という回答だった。

「有給消化中に引っ越しとか次の職場の面接とかせなあかんなぁ。

来年は1月から忙しくなりそうやな」

なんて先の話しをしていると、

「せやな。待っててな。

でも辞められへんかったら最悪先に大阪帰っててな」

と言われてしまった。

「えー！

また別居生活かー。

もうそれは勘弁やなぁ」

なんて言っていると、

「あんたの都合で辞めんねんから待っててよ！」

と妻に怒られてしまった。

…。

え？私の都合？

「え？おれの都合なん？

でもシホ（仮名）が今の仕事辞めたくないって言ったから千葉で探してたんやけど？」

「だからもともとあんたの都合で私は千葉に来たんやん！」

「いや、でもそれはシホ（仮名）とお義母さんに事前に相談したら良いって言ってたやん？

あの時あかんって言ったらやったら行かんこともできたよ」

「もともと千葉に行く気満々やったやん！

っていうか何年も前の話し出さんといてよ！！」

…めっちゃ怒ってる…。

実は私はこの時初めて妻が怒っているのを見た。

たしかに自分の信念の無さで彼女の人生を大いに振り回してしまっていた。

「ごめん。

たしかにおれの都合でシホ（仮名）を振り回してしまってたな。

しかもシホ（仮名）のせいにしてた。

ごめん。

シホ（仮名）が辞めれるタイミングで辞めてええから。

…本当に申し訳ない」

昼職場で上司に謝罪し、夜は妻に謝罪した。

謝ってばかりだ。

これは妻が思い描いていた結婚像ときっと違うだろう。

申し訳ないことをした。

この経験をバネに本当に仕事も人生もがんばらないといけない。

私の方が年上なのに頼りなさ過ぎる…。

この時2015年4月

離婚まであと1年と2ヶ月…。

先輩からの予期せぬ電話

2015年10月ー。

私が12月末で退職することが決まった。

この職場にも感謝と申し訳なさでいっぱいだった。

有給消化もあるがあと少し悔いなくやっていこうと誓った。

妻はというと…。

結局上司から引き続き退職が認められず、

年度末まで引き延ばされるとのことだった。

「今年の3月から辞めるって言うてんのにいくらなんでも引き延ばし過ぎやろ…」

と思っていたが、

前回それで妻と口論になった私はあえて口に出さなかった。

妻は2016年3月まで千葉。

私は1月からどうしよう…。

私だけ無職というわけにもいくまい。

大阪で就職先を探そうか考えていると、

私が学生時代に飲食店でアルバイトしていた時の先輩から電話がかかってきた。

「おぉっ。

ふくすけ久しぶりやなぁ。

元気か？

今どこに住んでるん？」

13年ぶりぐらいに先輩の声を聞き、

私が千葉に住んでいることと、

ざっと現状を話した。

「そうなんや。奇遇やなぁ。

おれも実は今仕事の関係で大阪と千葉行ったり来たりしてんねん。

ほな千葉で飲もうか。

いつ行ける？」

…なんだかトントン拍子で話しが進み、

そのまま10月末に先輩と飲むことになった。

13年ぶりに再開したその日は昔話しに花を咲かせつつ、

仕事の話しになり、

「今おれ義理の父親と運送会社を経営しててな。

それで大阪と千葉を車で行き来してるんやけど、

これから忙しくなりそうやねん。

だからもしよかったら2、3ヶ月でええから手伝ってくれへんか？」

…おっ？

これは奇遇なのでは？

正直渡りに船だと思った。

「2、3ヶ月でいいんですか？

実は4月から大阪で働く予定なんです。

それでよければよろしくお願いします」

後日そう返事した。

先輩と義理の父親は精密機器を千葉と大阪を拠点に車で運送する仕事をしていた。

私にはその手伝いをして欲しいとのことだった。

精密機器を運ぶついでに荷物も大型はだめだが、

少しくらいなら運んでも良いと言われ、

生活の拠点を千葉から大阪に移す私達にはもってこいなのではと感じた。

大阪に移動した時に仕事の面接や不動産をまわれると思った。

これは良い！

早速妻に報告した。

すると、

「ふぅん。

まぁあんたがそうしたいんやったらええんちゃう？」

となかなか冷たい返事がきた。

結婚して6年半ほどになるが私は妻が好きであり、

昔と変わらないつもりだ。

しかし、

妻は前回の口論以降、

明らかに私に対して冷たくなっていた。

私のことを嫌いになったのか？

夫婦として大丈夫か？

これからもやっていけるのか？

正直かなり不安だった。

…けど、大阪に戻れば。

慣れ親しんだ大阪に戻って、

妻の実家の近くに住めば。

環境が変わればまたもとの妻に戻るかもしれない。

またもとの夫婦生活に戻れるかもしれない。

「おれの心が折れたらあかん。

妻を幸せにしたい。

大阪に戻ったらまたいつもの生活に戻れる」

私はそう信じて働きつつも大阪に戻る準備を始めた。

…そう。

あの日までは…。

ー次回ー

ふくすけ「な、なんやこれ？」

この時2015年10月。

離婚まであと8ヶ月…。

続く

→本シリーズをマガジンでお得に読みたい方はこちら