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私が息子の進学先に特別支援学校を押した訳

息子が中学3年生の1学期の頃は、まだ特別支援学校はあまり選択肢にいれていなかった。通信制の高校がよいのではと考えていた。実際、私だけ数校通信制の高校の説明会や個別に相談にいった。よさそうな学校は多かった。
自由度があるとか、授業が楽しそうだとか。しかし学費が1年分一括で払わないといけないとか、年額100万円以上かかる所もあって、高いなーというイメージだった。就職については心配があった。

2学期に入り、息子は学校へはほとんど行かなかった。時々友達と行くって約束したからと行った。しかし1日中いる事ができなくて、数時間で帰ってきた。給食食べてきてよと思ったものだ。給食費は払っていた。3学期にやっと止めた。

通信制の高校も通えないのではないかというリアルな心配が起こった。そこで、特別支援学校も視野にいれて調べた。特別支援学校は住所のある所の学校に行く、公立の小学校、中学校と同じだ。途中で引っ越しをしたら、転校という事になる。私たちはその当時、夫と建てた家を出てハイツに住んでいたが、ずっとそこに住むつもりはなかった。また引っ越す可能性が高いのだ。それなら、職場である鍼灸院の近くにと考えて、その校区の特別支援学校に相談に行った。

そこのコーディーネーターは、息子のウィスクや、特別児童扶養手当の申請の際の医師の書かれた意見なども見たうえで、「彼がここに来るのは妥当ではないかもしれない」と前置きをして上で、特別支援学校に来るメリットを話された。息子は中学校にほとんど行ってないし、勉強するという習慣もついていない。その習慣をつけるという意味では特別支援学校を選ぶのもいいと。もし、それで途中で退学して通信制や高校に入り直してもいいかもしれないと。それを聞いてなるほどと思った。1年か2年遅れてもその方がいいと考えた。息子にはそう話し、10月に特別支援学校に見学に行った。息子もまんざらでもなかった。廊下を歩いていると、生徒たちが廊下に出てきて興味津々で息子に近寄ってきた。3年生の男子生徒は、「ここ楽しいからおいでよ」と言ってくれた。先生から彼は就職ももう決まっているという。息子にとって、高校を見学に行ったのはここだけで、他に選択肢がなかったのが本音だろう。しかし、入学して3年、紆余曲折あったものの、楽しく有意義な生活を送れた事は確かだ。

もし、あのコーディーネーターとの面談がなかったら、特別支援学校を選んでいなかった可能性は高い。

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