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新人鍼灸師を指導しようと治療を受けに行ったら、逆にがつんとやられた話
先日、鍼灸治療を受けに行きました。いきさつはこうです。ある会社の方が、系列の鍼灸院を運営しているのです。数カ月前に院長として雇った若い鍼灸師は、腕はいいのだが、まだ患者さんがあまりいなくて練習させてほしいので、よかったら、無料でいいので受けてくれないかというオファーがあったのです。ホームページを見るとなかなかのイケメン。24歳だという。「行きます」と即答、下心ありあり。厳しく悪いところは言ってもらっていいからと紹介していただいた方にもお願いされ、先輩面して行ってきました。
院長といっても一人でされているそうで、普段は一人。時々受付兼事務の方が来られるそうで、当日もその方はいらっしゃいました。しっかりしたベテランの女性でした。年は40代とお見受けしました。
新人院長は少し緊張されている様子でした。簡単に自己紹介されました。高校生の時、腰のヘルニアになって鍼灸で改善したことから鍼灸師になったそうです。母親より年上で、鍼灸師として先輩に鍼するというだけで相当プレッシャーですよね。彼は専門学校卒業を中国に研修にも行かれていたので、中国鍼を得意とされています。私はあまり中国鍼の経験がないので、楽しみにしていました。彼は鍼を刺すとき全く痛みを出さない、本当に腕がいいのだと思いました。
施術を受けながら、集客の話になり、学校では教えてくれないですよね。彼はインスタで自分の動画をいくつもアップしていたので、それ自分で考えてやったの?と聞くと、「そうです。暇ですから。」
「先日、駅までビラ配りもしたんですよ。最初はとても恥ずかしかったです。」というのです。私は、ポスティングはしたことがあるけれど、ビラ配りはしたことがないです。
彼のひたむきな姿に、鍼灸師になった頃の初心を思い出しました。患者さんのために、ただひたすらに技術を磨いていたあの頃。開業10年という節目を迎え、どこか慢心していた自分に気づかされました。彼の熱意は、私に大きな衝撃を与え、改めて鍼灸師としての使命を自覚させられました。明日からまた、初心を忘れずに患者さんと向き合いたいと思います。