見出し画像

ホストファミリー後日談

 日本語学習者のホストファミリーになろう、と思い立ったのは、3人の子どもたちがほぼ自立して夫と二人。夜遅くまで私一人でいる時間が増えたから、ここに誰かいたら楽しいだろうな、と思ったから。

 でも実際一ヶ月のホストファミリーをしてみて知ったのは、自分自身のこと。

  • ええかっこしい(普段以上の自分を見せようとしてしまう)

  • 喜ばせたい欲(相手を喜ばせたいと思う気持ちが強すぎて、いろいろしてあげたくなる)

 以上から、私は気付かない間に相当な無理をしていたのだと思う。
確かに、予想通り楽しかった。ただでさえ自分と違う考えや経験を持つ人との会話は楽しいのに、海外の方で違うことだらけ。毎日新鮮な驚きに溢れていたし、何より日本語を一生懸命学ぶ姿勢は、同じ語学学習者としてかなり良い刺激となった。

 顔を洗う。普段ならただ顔を洗い、ちょこっと周りを拭いたり軽く掃除をして終了。でも顔を洗うにしてもトイレに行くにしてもシャワーを浴びるにしても、洗面所に行くたびにホテルで働いていた時の様に細部まで綺麗かどうかを確認する。玄関もリビングもキッチンも同様。ホームステイ受け入れ、私は自然体では出来なかったなぁ…性格上。そして普段の生活が、あまりに気ままだったということにも気づいた。

 最初こそ遠くに住む娘たちにLINEで「これが日常になったら、すごく生活が整う気がする!」なんてはしゃいで見せてたけど、この一つ一つが私という人間にはかなり負担になっていたのだと、あの時から薄々気づいていた。
 
 昨日ホームステイの彼女を見送り、一ヶ月ぶりにぐうたらの日常に戻った私は、鏡についている汚れを敢えて無視した。その快感に浸りたかった。こたつから顔だけ出して寝そべる。昼ごはんは一人で、お腹が空いたら好きな時間に食べる。
 整った生活があなたの日常ではなくて、こうして気ままに暮らしてるのがあなたの日常なのよ。そう自分に言い聞かせて逆リハビリ。

 それにしても、なんですかね。このありのままを見せられたらいいのに。やっぱりホームステイってちょっと日本代表になった感じもあって、このあまりのぐうたらで気ままな暮らしを見せることで、日本のみなさんに申し訳なさもあったんですかね。知らんけど。

 でも私はこのぐうたらな、夫とこたつから顔だけ出しておしゃべりする日常を愛している。それだけはよくわかった。だらだらするぞー!

いいなと思ったら応援しよう!

なみお
読んでくださって、ありがとうございます。 もし気に入ってくださったら、投げ銭していただけると励みになります💜