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花束💐

「やぁ〜、びっくり!でも嬉しかったなぁ〜
思いの外評価してもらえて。
頑張ってきて良かった!」

いつもは目立たず淡々と仕事をしている亮。
今日は、社内公募に応募していた企画が評価され
独りちょっとしたお祝いに、
ずっと行ってみたかった店を訪れていた。

「今日は自分へのご褒美!
好きなものを好きなだけ食べよう!」

ご褒美と言っても、普通より少しおしゃれ
というくらい。決して高くはないビュッフェのお店。

亮は、トレーの上に皿をのせ
食べたいものを好きなだけ皿に盛ると席についた。

「あぁ、飲み物忘れた」

再び席を立つと、ワインとチーズを手に取り
戻ってきた。


『?あれ?!
酒も飲む前なのに、もう酔ってしまったのか?
それとも、もう飲んでたっけ?
幻がみえる?こんなのあったっけ?』

席に戻ると、トレーの右上に小さな花束が。
小さいけれど繊細で可愛らしい素敵な花束。

「あ、あの〜、この花って。」
近くにいた店員さんに聞くが、

「どうされました?お花?どちらに?」

との返答。

『まさか、俺にしか見えてないのか?
本当に幻?』

恐る恐る花束に手を触れると

「おめでとう、いつも頑張ってるもんね!
自信を持って、これからも頑張って!
ささやかながら私達からのお祝いです✨」

そんな声とともに、
小さくてキラキラした天使の姿が見えた。

「お客様、大丈夫ですか?
あ!お客様、マジシャンの方?
いつの間に!これが花束!可愛いですね
お料理お楽しみ下さい。」

「あ!え?あなたにも見えましたか花束!」
と更に驚いていると、知らぬ間に
天使の姿は消えていた。

不思議に思いながら食事を楽しむ亮。

ふふっ。

途中でおかしくなって笑ってしまった。

『何とも不思議なことがあるもんだ
でも、このサプライズは嬉しいな。
天使さんたち、ありがとね』


(見ると癒やされるhohoさんの絵から、
思いついたままに)



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