日々こつこつ小説〜わらしべ長者になりたくて 第十一話
『今日はところにより雷雨でしょう。
お出かけの際は空の急変にご注意下さい。』
「やばっ!買い物行かなきゃ!今なら行ける!」
天気予報を見ながらカーテン越しに空を確認すると急いで買い物に出掛けた。
『大体買うもの決まってるから、さっさと買って帰ってこよう』
ゆうはいつものスーパーへ行くと、慣れた様子で売り場を周り次次とカゴへ入れていった。そして、会計をしようとした時に、売出しコーナーを見つけた。
『もう、今日はそれどころじゃないし。』
そう思ったが、会計の後、やっぱり気になって見に行くと、前に気になっていた鍋が安くなっていた。
『これ、やっぱり使い良さそうだなぁ。
でも、大きさ形、どれにするかな。』
『迷う。今日は雨降ると大変だから明日?いやなくなってるもしれない。今決めよう。』
『うーん。』
なかなか決まらない。
⚡ピカッ!ゴロゴロゴロ
『あっ!』
ゆうが迷っているうちに、天気は急変し雷と共に大粒の雨が地面を叩きつけている。
ようやく買うものが決まり会計を済ませても、全く止む気配がない。
途方にくれていると、
「とうされました?傘お持ちでないのですか?」
後ろから声がした。
『自分に話しかけているのか?』
振り向くと。
「あ!あなたは!!」