日々こつこつ小説〜わらしべ長者になりたくて 第十四話
『まさか!そんな?!』
ゆうは半信半疑で、猫をもう一度良く見た。
「あ!」
以前ゆうが拾ったものの、飼えずに涙ながらに木の根元に置き去りにしてしまった猫にとても似ている。
娘さんは、また話を続けた。
「手紙を置いておいたら、次の日お返事があって。
もっと嬉しくなって。この子は幸せを沢山運んでくれる猫なんです!」
そういった後にこう続けた。
「すみません、話したいことどんどん話してしまって。でもこの子を褒められると嬉しくて!」
『こんな素敵な家族が出来て良かったね。』
心の中でつぶやきながら、猫に微笑みかけた。
「みゃっ!みゃおおおおー、みゃっ!」
「あれ?また何か言った?!」
娘さんはそう言うと、軽く会釈をした。
ゆうも会釈をして、その場を去った。
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