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コロナで急成長している米スタートアップ8分野
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コロナウィルスの影響は食品、消費者サービス、不動産、金融、トラベル関連のスタートアップ企業にとって大打撃となった。アメリカではコロナウィルス発生から4月21日時点までの間に、なんと280社のスタートアップが2万1千人以上の従業員を一時解雇した。
一方で、コロナウィルスの影響で注文数や利用率が急激に増えているスタートアップも多い。面白いことに、それらのスタートアップは巨額のマーケティングに投資できる資金力を保有するスタートアップのみではなく、広く知られていないアーリーステージのスタートアップも含まれている。
この記事ではここ1〜2ヶ月で好調に推移しているスタートアップ分野を纏めてみた。
食料品・ミールキット配達
マンハッタン等の大都市ではスーパーに食料品を買いに行きたがらない、又は買いに行けない人が多い。このため、食料品やミールキットを自宅まで配達してくれる配達サービスを提供するスタートアップが想像を超えた受注を受けている。例えば、産地直送の果物や有機野菜を配達するサービスFarmbox Directは24時間ごとにオーダー数が2倍に増えている。
米国では学校が自宅授業に切り替えられており、子供達は遠隔教育を受けているため、多忙を極めミールキットの配達サービスに登録する親も増えている。シカゴ発のヘルシーなミールキットを配達するサービスEat Purelyはコロナ以前にシカゴ都内のみで配達を行なっていたものの、家族層における需要増加のため郊外にも拡大し始めている。
トイレットペーパー・ビデ関連
パンデミック時に日常用品の備蓄は重要。その中で広く必要とされているのはトイレットペーパー。ここ数ヶ月でトイレットペーパーの売れ行きが急増しているが、高価でサステナブルな素材を使うD2Cのトイレットペーパーブランドに対する売上も急増している。トイレットペーパーのD2CブランドPeachの売上はオーガニック成長で267%上昇した。尚、トイレットペーパーの品切れの状態が続いている中で、ビデの売上が急増している。ビデ販売スタートアップTushyは3月中に一日100万ドルの売上もあり、通常水準に比べて10倍ほどに売上が伸びている。
保護具・消毒剤
驚くことではないが、マスクや消毒剤など、コロナウィルス予防用の商品に対する需要も拡大している。これらの商品を販売する企業が多い中、その中で最も面白いスタートアップはおしゃれなマスクを販売するScoughと殺菌用の紫外線機器を販売するPhoneSoapだ。ニューヨーク発のScoughは防衛省が備蓄しているマスクと同じ素材を使いデザイン付きのマスクを製造している。同社の在庫は数日以内で品切れになり、在庫補充に困っている状況である。また、PhoneSoapは紫外線で携帯電話に付着している菌を殺すユーザーフレンドリーな機器を販売している。同社は3月初旬のタイミングで、売上が前年比で1,000%以上増加している。
ウェブ会議ソフト
在宅勤務に移行する人が増える中、Zoomなどのウェブ会議ソフトを利用する人が急増している。Zoomの他にも、全体的にウェブ会議ソフト事業に対する需要が伸びている。2017年設立のアーリーステージのKudoはリアルタイムで複数の言語を通訳するウェブ会議ソフトを世界中で提供している。Kudoはコロナ発生前に比べ、売上が400%伸びている。
メンタルヘルス・瞑想サービス
アメリカでは多くの会社でレイオフが次々と行われ、また死亡者数も6万人を超える最悪な状況となっている。そのような環境下、メンタルヘルス問題が拡大している。それに伴い、メンタルヘルスケアを提供するサービスへの需要が増えている。Gingerは様々な遠隔治療サービスを提供しているが、精神科におけるセッション数がコロナウィルス前に比べ25%増加している。またアルゴリズムを活用し、患者とセラピストを繋げるマッチングサービスのReflectは3月に2桁の成長を達成している。
フィトネス
各州の自宅待機命令により家で運動をする人が増えており、オンラインフィトネスや家庭用フィトネス機器への注目がより一層強まっている。オンラインでトレーニングの個別指導を受けることができるアプリAaptivは3月中にアプリに対するオーガニック検索が100%伸びている。また資金繰りが苦しい状況の中でも、先月有力VCからの資金調達に成功している。正にフィトネスはVCが注目している分野である。
アルコール・CBD
過去の歴史を振り返ると経済不況時にはアルコール、タバコなどの売行きは好調である。現在も例外なく、同商品を販売するスタートアップは売上が順調に拡大している。大麻飲料ブランドのRecessはマーケティングに一切費用をかけていないにも関わらず、売上が過去平均水準の5倍に急上昇している。また現在注目度の高いワインのD2CスタートアップBevの売り上げも通常レベルの7倍にまで上昇している。
教育関連
コロナウィルスの影響で自宅学習の期間が長引く中、子供の学習状況を不安視する親が増えている。仕事をしながら自宅で子供を教育しないといけない親も多く、オンライン教育関連サービスが最近注目を浴びている。幼稚園児・小学生向け教育ビデオ配信サービスを提供するCohesion Educationは二日間で1月〜2月の2ヶ月分の成長を達成している。
最後に
上記の商品やサービスは全てコロナウィルス問題の影響で、マーケティングに重視しなくても需要が急増している。このピーク需要期がいつまで続くのかは不透明であるものの、一般的に自宅待機に対するサービスや商品に対する需要は今後も続くだろう。
アメリカではコロナウィルスの死者数はベトナム戦争の死者を上回っており、長期的で抜本的な変化が必要となると考える。この影響により、新たなニーズが発生し、上記以外の分野でも様々なビジネスチャンスが生まれるに違いない。経済縮小の環境であるからこそ起業のチャンスは今だ!
There has never been a better time to start a business!