なみのり教室特別授業 君たちはどう生きるか?
「みんな、楽しく働きたいと思ってるんじゃないかな?」
心、ブッ刺された。
そうだと、思う。
僕もそうだと、思っている。
それは、これまでずっと思ってきたことだ。
生まれてきた意味なんかよくわからない。
生まれてきた意味を考えることは、あまり意味はないと思う。
意味を考えなくてもいい事柄は山ほどあるけど、たぶん、生まれてきた意味は、その代表だ。
楽しく働きたい。
そんなシンプルな想い。
それは、叶えたい。
それくらいは、叶えたいじゃないか。
だけど、働くことは楽しくないことが山ほどありすぎる。楽しいことだけやってればいいポジションにいる人なんて、きっと、ほとんどいない。
やりたくないこともやらなきゃいけないときがある。
悩むことも、落ち込むことも、思考したくないときも、何度も押し寄せる。
だから、僕は、『働くことを楽しく』ではなく、『働くことをおもしろく』と表現している。
みんな、おもしろく働きたいだけなんじゃないかな?
僕は、そんなふうに思って、本を書いた。
そして、ヒトの想いが、世界をつくるなら、そんな世界を作れるんじゃないか?と仮説を立てた。
しかし、すでに、その想いは、みんなの心の奥底にあるはずだ。
不思議だ。
心で想っているのに、そんな世界になっていないというのは、不思議でならない。
これは、厄介な問題が、ほどけない糸みたいにからんでいるのだろうと考えた。
僕は、そのからんだ糸を見る。
糸をほどく方法は、何個かある。
一個め。
ひとつずつ、ほどく。
しかし、このアプローチではからんだ糸はほどけない。
なぜかといえば、ある糸をほどくと、他の糸がきつくしまるからだ。
例えば、お金の問題とか、環境の問題とか、時間の問題とか。複雑に絡んでいる。
僕は、釣り糸で何度も同じような経験をしているから、それがなんとなくわかる。
今の世界は、糸が絡まりまくってる世界だ。
もはや、ひとつずつほどくことは困難極まれりな感じがする。
2個め。
場所を変える。
絡んだ糸の世界から、物理的に脱出することだ。つまり、日本から海外へ移住するとか、住む場所を変えるとか、仕事を変えるとか、人間関係を終わらせるとか。
功を奏すかは、もちろんわからない。だけど、今の絡みまくった糸をほどくには、効果的だろうと思う。
3個め。
新しくつくる。
まずは、そのからんだ糸をみて、ほどけないと諦める。
仕方がない。
僕に、世界は変えられない。そう諦める。
新しいテクノロジーはどんどん生まれる。
便利になるし、からんだ糸は一部ほどける。しかし、よそがきつく締まる。
そうやって今の世界が成り立っている。
新しくつくるとは、どうやってやるのか?
それは、わからない。
わからない理由は、やったことがないから。
しかし、仮説は立ててみた。
僕は、『働くことをおもしろくするなみのり教室』という本を書きました。
本に描かれた海の世界は、僕が想い描く、糸があまり絡んでいない世界のつもりです。
資本主義をベースに、お金をいちばんの軸としない働き方と生き方を模索して、表現してみました。
現状の絡みまくった糸を、少しは緩めたいと思って、具体的な解決策も少しは散りばめてみました。
ただ、僕が本を書いたいちばんの理由は、やっぱり、
「みんなおもしろく働きたいと思ってるんじゃないかな?」
という問いに対する答えなのだと思います。
海の世界という働くことがおもしろい世界を描いて、こんな世界ってどうだろうか?と本というスクリーンに映し出してみました。
そして、読んでくれた人の中に、海の世界は、いいなあと思ってくれる人がいれば、その人たちとそんな世界をつくりたいと考えています。
そうか。僕は、仲間が欲しかったのかもしれません。
僕もまた、ただおもしろく働きたいと考える一匹の生き者なのです。
仲間とおもしろく働きたいのです。
なみのり教室は、仲間募集中です。
一緒に働くことがおもしろい世界をつくりたい方はホームページからご連絡ください。
本心とはよくわかりません。
作品づくりとはよくわかりません。
よくわからないから潜り続ける。
しんどくなるから息継ぎする。
やっぱり僕らはクジラやイルカみたいに同じ哺乳類なんですね。
最近、宮﨑駿監督が、君たちはどう生きるか?と映画で問いました。
作品とは、伝えたいメッセージと問いかけの交差点を具現化したものだと思います。
映画の中身に関することは一切書きませんが、僕は、その問いに、こう答えようと思います。
ただ、おもしろく働きたいだけ。
ただ、楽しく遊びたいだけ。
ただ、ぐっすり眠りたいだけ。
ただ、今を生きたいだけです。