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いいホテルとは何か、改めて考える。

お仕事柄、色々なホテルの方々とお仕事させていただくにあたって、自分のホテル選びの軸を改めて考えてみる。

徳山の山奥にあるオーベルジュ Levo
遠いけど、ここまで行く価値がある

私のホテル選びの基準

旅行を計画する時、まずは拠点となる宿を考える。
ただラグジュアリーなホテルに泊まりたいのではない。その時々の気分や目的、一緒に行く人によって考える。
実際に、駅前のビジネスホテルから、一泊10万円を超える星付きホテルまで、仕事も含めるとコロナ前は年間70泊はしていた。

OTAやInstagramで値段や写真を見るだけでなく、作り手の想いやコンセプトを感じたり、自分にない価値観を持っていたり…自分が過ごしたい時間や味わいたい感情がそこにあるということを感じ取れた時に、いつも直感で決めている。

沖縄のフクギ並木で有名な備瀬の古民家ステイ
おばあちゃんの家に遊びに行ったような懐かしい気持ちに

少々背伸びしたホテルに泊まる時は、たいていのんびりしたい時。
「なんでそんなに高いお金を、寝るだけの場所に払うの?」という意見があるのも重々承知で、贅沢と言われればそれまでのもの。

でもその答えは、「その場所で過ごす大切な自分の時間」に対して払っているのだと言い切れる。それはいわば期待であり賭けであり、投資みたいなもの。
この時間が、必ず自分にとって何らかの良い形で返ってきてくれると信じている。それは大それたことではなく、ただただ「明日からお仕事頑張ろう!」という前向きな気持ちになれるだけで、その投資は回収できているのだと思う。

年末年始に連泊ステイしたコンラッド東京
4日間こもって前年を振り返ったり、新年の目標を作ったりして過ごした

いいホテルとは何か

今回の記事のタイトルに立ち戻り、「いいホテルとは何か」。

私なりの、いま今の答えは、
「いかに日常からかけ離れた時間をもたらしてくれるか」
だと思う。

以前誰かの言葉で聞いた私の大好きな言葉で、「アイディアは移動距離に比例する」という言葉がある。 

コロナになる前はこの言葉を文字通りに受け止め、より遠くへ!と思っていたが今は違う。
物理的な距離ではなく、心と身体を日常からかけ離す。その距離感。という新たな解釈をした。

滋賀県にあるオーベルジュ 徳山鮓
お部屋はかなり質素だが、食事が
味/演出共に素晴らしい

“非日常”と言ってしまえば安っぽく聞こえてしまうが、毎日のルーティンから抜け出すことで、日々の生活にはない新たな視点が生まれ、今の自分自身を客観的に捉えられたり、思いつかなかったアイディアがどんどん湧き出たりする。
目の前にあると大問題だと思っていたことが、客観的に見るとそうでもなかったりして、人生って大抵そういうことばかりだと気付かされる。

逆に、日々の業務の中で疎かにしていたことが、実はとても大切なんじゃないかと不安になることもある。今本当にやるべきことは何なのか、余計なものを削ぎ落として優先順位を整理できたりもする。
そういう時間を過ごせるのが、私が思う「いいホテル」だ。

パームスプリングスのエースホテル
ここはもう・・センスにしびれた!いる人たちも超クール

ホテルが持つ本来の価値

いいホテルとは、充実したハード面だけでは絶対に完結しない。結局はそこにいる人たちの空気感で完成するものだと思う。働いているスタッフのモチベーションや立ち振る舞い、そして最終的には、我々宿泊者が“いいホテル”というものを完成させるのだ。俗に言う「客層」というもの。

宿泊者の立ち振る舞いを見て、私もここに相応しい人になりたい!
と思ったいつかのカハラホテル

いいホテルって、同じ価値観を持った人たちがその場所に集まっていて、英気を養ったり、仕事に集中したり、ワイワイ楽しんだり、それぞれがお互いの時間を尊重し合っている。
どれだけラグジュアリーなホテルでも、泊まっている人たちがイケていなければ絶対にそこに目がいってしまう。ラグジュアリー=高級では決してない。より良い時間を過ごしたいと願う人たちが集う、とてもピュアな空間なのだ。
だからこそ、その空間にちゃんと馴染めるように、私自身も相応しい人でいたいと思う。そういう日常では思えない向上心が芽生えたりもする。

ということで、今のところの私なりのいいホテルとは、
「日常を切り離し、今の自分自身や状況を客観的に見ることができ、気付きやアイディアをもたらしてくれる空間」
です。

皆さんのいいホテルの基準は何ですか?

ゴールデンウィークでステイしたパークハイアットバンコク
再訪したいと思えるホテルがまたできた


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